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2018.02.09
第7回目のゲストはBeyond works 佐々木康裕氏 「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」
USEN(東京、田村公正社長)が運営する音楽情報アプリSMART USENで配信中の「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」。ウェブメディア「ジュルナルクボッチ」の編集長兼杉野服飾大学特任准教授の久保雅裕氏が、ファッション業界で活躍するゲストを招き、普段はなかなか聞けない生の声をリスナーに届ける。アパレルウェブでは、その模様をレポートとして一部紹介していく。第7回目のゲストはBeyond works 佐々木康裕氏。
石田紗英子(以下:石田)今回のゲストですけれども、GINZA SIXにある「シジェーム ギンザ」のディレクションを手掛けられている、佐々木康裕さんなんですよね。
久保雅裕(以下:久保):はい。佐々木さんはみんなからは、みみおさん、というのが通りが良いです。
<中略>
石田:なぜ、みみおさんなんですか?
佐々木康裕(以下:佐々木):それはね、前職のトゥモローの今の会長さんが、名字がたまたま佐々木で一緒だったんですよ。それで、いろいろ佐々木会長の近くで仕事することが多かったんで、やっぱり区別がつかないよねということで。ちょっと耳の形が、立っていてフラットなので、それを見て、漢字で耳の男と書いて「耳男」っていうのを付けて、それを全社にファクスで流しちゃったんですよ、会長が。オーソライズされちゃって。
久保:僕が最初お会いした時は、本当に社長の親族かなって思いました。「親族だから七光りみたいなものでここまで来たんだ」みたいなね。(笑)
佐々木:全く関係ない。
石田:ではさてさて、いつものように、少年時代から伺いましょうかね。
佐々木:両親は非常に硬い公務員だったので、特に親父は教師だし、だからあんまりファッションとは関係なかったんですけど、おじいちゃんが非常にお洒落で、たぶんハイカラな感じだったと思うんですね。その影響なのか、隔世遺伝かよく分からないけど、小学校の頃からやっぱり洋服は好きだったですね。函館の丸井今井という百貨店にVANコーナーがあって、小学校5年くらいの時から一人で行って、お小遣いを持って行っては、VANのアイビーソックス、こうラインが2本入るんですけど。いろんなラインの色があって、それを買いに行ってたんですね。
久保:流石にジャケットとかは?
佐々木:難しかったね。だからそれを買って、VANって書いたソックスの留め具が付いてて、それが欲しいみたいな。それを取って大事に大事にとってたみたいな、そういう子どもで。それを履いて学校行ってたんですけど。
<中略・自由が丘に住んだ学生時代の話>
石田:インターネットで佐々木さんを検索させていただくと、「トゥモローランドの顔」とか、「名物ディレクター」とか、いろいろ出てきたんですけど、どういうお仕事をされてたのか、教えてください。
佐々木:入社は営業なんですよ。ライフスタイルをやりたいなあと思って、トゥモローに入って、そしたら「GALERIE VIE(ギャルリーヴィー)」というブランドを立ち上げる前年だったんです。そのブランドは衣食住だったんですね。まさにこれ僕のブランドと思って、そこに行きたいなと思って入ったら、まったく違う「マカフィー」っていうカジュアルなブランド、「お前はこっち」って言われて。そこから入って、まずは営業やって、全国回ったり、すぐ生産管理の方を任されたりとか、いろんな仕事をさせていただいた。トゥモローランドさん自体が僕に非常に、感度的にというか感性的に合ってたので、他のアパレルさんに行ってたら、多分また違う人生だったかなあと思うんですよね。人事と総務以外は大体やらせてもらったんですよ。メンズの今の形は僕が立ち上げましたし、あとレディスの方もバイヤーの部門を作るっていうのもやりましたし。マーチャンダイザーもバイヤーもやりましたし、販売促進部も任されたし。あと飲食ね。そこの責任者もやらせてもらったりとか。
ということで、本当に会社の中のいろんなことを経験させていただいたんで、そこがベースで今があるっていうか。
<中略・佐々木会長の逸話、バス停移動事件の話など>
佐々木:Beyond Worksは、基本コンサルティングをしてます。「SIXIEME GINZA」は大丸松坂屋さんがやられてる新業態ですけど、経営コンサルではなく、どちらかというと、マーチャンダイジングとかショップに絡むこととかのコンサルティングをさせていただいております。50代も後半になってきて、自分が持ってるノウハウっていうのを若い方々とか、欲しい情報をいただきたい、と仰っていただけるところに対してシェアしていく。そういうことをしていく仕事が僕には向いてるのかな。
<中略・香りや紅茶の話>
久保:みみおさんの場合は世界中あちこち周って、特にニューヨークとかパリとかちょこちょこ行ってますけど、割とあちこち行って街をチェックされるっていうのが大好きですよね。
佐々木:そうですね。
久保:もうやたら写真撮りまくって。まぁその写真が上手いんですよ。本当に。
石田:へぇ~。
久保:上手な写真撮るなぁって。フェイスブックで出してたりもしますけど。街を見ててパッと気が付く、ちょっとしたものに気が付くっていう、それがすごい感度だなぁっていつも思いながら見てたんですけど。
佐々木:イタリア人と道路を歩いてて「お前さ、常にキョロキョロして、いろんなことを見てんだろ。それで感じてんだろ。」って言うから、そうだよ、お前違うの?って言ったら「俺はそういうのしないからね。」みたいなことは言われたことありますね。
久保:それって写真に必ず収める?
佐々木:やっぱり余程じゃないと収めないけど、例えばマンホールとか。ニューヨークなんかだと消火栓。それがエリアによって全然色が違ったりとか、素材も違うので、かわいいんですよ。だから日本もそうすればいいのになって思って撮ったりとか。
久保:だから欧米に行って、日本に無いものに気付いて、パシャパシャ写真撮ったりしてくるわけですよね。そのどれかがまた新しいビジネスのヒントになったり、誰かに喋る時の提案になったりっていうことですよね。
佐々木:そう。こういう世界があるよっていうのをやっぱり伝えたいっていうのがある。それともう1つ、寺子屋神楽坂というプロジェクトがあります。まだビジネスにはなってないんですけど、どっちかというとメセナ的なところで。やはり日本人のポテンシャルっていうのが、世界中を周ってきて非常に高いなと思ってるんですね。日本ブームっていうことじゃなくて。だから日本人を輸出するっていう、人を輸出するっていうテーマでやってるんです。事務所が神楽坂にあるんですけど、イベントスペース的なことにしてるんです。
(左から)石田紗英子氏、佐々木康裕氏、久保雅裕氏、
■公開情報
USENの音楽情報サイト「encore(アンコール)」
http://e.usen.com/
・SMART USENの「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」、第7回目のゲストはBeyond works 佐々木康裕