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2019.03.22

アライドアーキテクツが教える 企業のSNSマーケティングを成功に導くポイント

written by 福塚真一郎(AIR編集部)

(左から)アライドアーキテクツ株式会社 プロダクトカンパニー Letro事業部 堀田 哲郎氏、
アライドアーキテクツ株式会社 インキュベーションカンパニー 執行役員 金濱 壮史氏

 SNSマーケティングを軸としてSNSに特化したメディアサイトの運営や、企業のマーケティングを支援するサービスなどを提供しているアライドアーキテクツ株式会社。今回はLetro事業部 堀田 哲郎氏 とアカウント本部 アカウントプランニング統括部 SNSプランナー 金濱 壮史氏をお招きして、デジタルマーケティングにおけるSNSの役割から、成功する企業と失敗する企業の違いなど、企業のSNSマーケティングを成功に導くポイントをお伺いしました。

―御社の事業内容を教えてください。

 

 弊社はSNSのマーケティング支援を専業として2005年から創業し、当時はブログを活用したマーケティング支援を中心に行っておりました。そこからSNSの媒体が色々増えていく中で、弊社もその時流に合わせる形で様々なSNSを活用したマーケティングのご支援をさせて頂いております。また、Facebook、Instagramから公式のパートナーと認定されているのも弊社の特徴です。ご支援させて頂いている領域はSNSマーケティング全般で、お客様の悩みに合わせ最適な形でサービス、ソリューションのご提供ができるよう、日々のコンサルティングをしながらご支援をしております。お客様の悩みに対してSNSで包括的にご支援できることが弊社の強みだと認識しております。

 

 

―さまざまなお客様の悩みに対応できるとのことですが、今のお客様の悩みで1番多い悩みはなんですか?

 

 今までは、「SNSアカウントのフォロワーを集めたい」、「店頭と連動したWEBキャンペーンで参加人数を増やしたい」など、拡散施策としてのSNS活用のご相談が多かったですが、昨年ごろからは企業のマーケティング活動の中でどうSNSを組み込んでいけば良いのかといった「中長期的なマーケティング戦略の中でのSNSの活かし方」についてのご相談が増えてきております。

 

 

―企業のマーケティング戦略の中で、SNSをどう組み込んでいくべきでしょうか?

 

 商品やサービスがコモディティ化し、企業発信の広告が伝わりにくくなっている昨今、商品やサービスに愛着を持ち、自発的に魅力を紹介してくれるような「ブランドのファン」を起点にしたマーケティングの有効性が高まってきています。そして、SNSでファン起点のマーケティングを行うことが、ブランドの成長にとって重要だと考えています。

 

 先程もお話ししましたが、今までは店頭プロモーションと絡めたスポット型のキャンペーンやフォロワー獲得施策など限られた領域でSNSを活用していくことが求められていました。しかし、SNSで生活者と繋がり、共感をベースとしたコミュニケーションを取るとInstagramやTwitterなどでハッシュタグをつけて商品を投稿してくれたり、商品アイデアを考えてくれるような「ファン」の活動も活発化してきます。

 

 また、ファンによる自然な推奨が発生する状態が作れると、広告費や販促費ありきのマーケティングから脱却できるので、中長期的には費用対効果の面でもメリットがあります。

(左)「Letro(レトロ)」は、UGCを軸にクリエイティブ制作から検証を支援するプラットフォーム、
(右)「ブランドタッチ」は、顧客やファンを軸に適切なマーケティング施策の実行を支援するプラットフォーム

―マーケティング戦略の中にSNSを組み込んでいく場合、指標はどのようなものになりますか?

 

 弊社では、お客様の悩みに応じた指標を設定しています。SNSにおけるフォロワー数やエンゲージメント率など各媒体で計測できる指標だけを見ていると、本来のマーケティングゴールを見失いがちになるからです。そうならないために、各媒体で計測できる指標以外のところで生活者の態度変容を計測する場合もあります。たとえば、「フォロワー・非フォロワー」に対して同一のアンケート調査を実施し、他者への推奨度や購入意欲を可視化・分析するなどです。つまり、媒体の定量データと生活者の声から得られる定性的なデータの両面の活用が大事だと考えています。

 

―企業がSNSをマーケティングに組み込む上で注意するポイントなどはあるでしょうか。

 

 SNSの活用を単一のチャネルと捉えて、運用していく時代はもう終わったのかなと思います。たとえば、フォロワー数やいいね数のみを追うなどです。もちろん短期的なマイルストーンとして設定することはあるのですが、そこのみに執着してしまうと、最後は企業側のKGIに繋がらないパターンが多いです。反対にアパレル企業でマーケティングへの組み込み方が上手だなと感じたのが、当社でご支援しているアパレル企業様のお取組みである「スタッフのインフルエンサー枠採用」です。

 

 アパレル企業の場合、一番のブランドの「ファン」はそこで働くスタッフの方だと思います。他業界と比較して、元々そのブランドが好きでご入社された方の割合は多いと思うので、スタッフのSNS上での繋がりからブランドの魅力や体験を伝播してもらうことは新しい「ファン」になってもらいやすいと考えています。また、SNSではリアルタイム性が重要となるので、SNS担当に投稿や発言の裁量を与えることも重要だと思います。大きな会社では、そこは難しいのですがSNSを上手に活用している弊社のお客様は権限もご担当の方に一任しているパターンが多い印象です。

アライドアーキテクツ株式会社
URL:https://www.aainc.co.jp/
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-19-15 ウノサワ東急ビル 4階

――アパレルウェブ「AIR VOL. 16」(2018年10月発刊)より

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