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2019.02.25

【インタビュー】伊ミラノ発の老舗中綿ブランド「サーモア(Thermore)®」 世界のトップブランドが支持する理由

Sponsored by サーモア

サーモアジャパンの両角直樹氏。「エンポリオ アルマーニ EA7」が平昌オリンピックイタリア代表チームに提供した公式ユニフォーム(写真中央)でもサーモア社の中綿が採用された。

 伊ミラノを拠点とする中綿素材メーカーの老舗サーモア社。断熱素材開発のパイオニアとして、創業以来、世界トップクラスの企業やハイブランドがこぞって同社の「サーモア®」を指名してきた。日本でのビジネスをスタートしてわずか4年だが、現在急速に事業を拡大している。その背景をはじめ、新商品や日本における今後のビジョンなどについて、サーモアジャパンを統括する両角直樹氏に聞いた。

世界の有力ブランドが支持 モードの聖地・伊ミラノ発ならではの商品力

――まずはサーモア社について教えていただけますか?

 

 イタリアのミラノで1972年に創業した機能中綿素材のメーカーです。創業から45年以上経ちますが、常に最先端の断熱技術を追求しています。自社でR&Dチームを設け、研究開発に力を入れることにより、あらゆる環境に対応できる高機能の断熱素材を提供しています。「サーモア®」を使った商品は現在、スキーを含む数多くのアスリート競技や、極寒でのアウトドアシーンなど幅広くご使用いただいています。スポーツ最大手のナイキ(NIKE)も私たちの重要なクライアントで、長期間に渡りお取り引きを続けています。

 

 「エンポリオ アルマーニ EA7」が平昌オリンピックイタリア代表チームに提供した公式ユニフォームにもサーモア社の中綿が使用されているんですよ。

 

「サーモア®」を使った商品のラベル。国内外の有力ブランドがずらりと並ぶ。

――トップクラスの企業やブランドが利用しているのですね。

 

 トップクラスの企業に長期間に支持していただいているということは、サーモア社のビジネスにおいて、非常に大きな意味があります。

 

 また私たちは、スポーツやアウトドア系の企業に加え、ファッション系企業とも数多くお取り引きしています。サーモア社が拠点とするのは、ご存知の通り、世界のファッションとデザインの発祥地として知られているミラノです。ミラノは、リアルタイムでトレンドをつかみ、革新的な製品を生み出す上で、とても理想的な環境なのです。創業以来、カジュアルからハイファッションまで幅広いファッション向け製品にご利用いただいています。

 

 中綿素材のトップシェアメーカーの多くが、スポーツやアウトドア向け製品を主力に事業を拡大してきたのに対し、サーモア社は、もともとファッションブランドと長年にわたってお付き合いがあるため、ファッション向け製品にも柔軟に対応できるのです。これが大きな特徴だといえます。

――「サーモア®」の強みは何でしょうか?

 

 「サーモア®」は常に最先端の断熱中綿素材を追求しているとお伝えしました。中綿素材が、空気を繊維の間に閉じこめることで温かさを保つわけですが、「サーモア®」は、その空気を一定に保つ特殊な構造を持っています。ですから、保温性が高く、それが長時間持続するのです。

 

 また、通常の中綿素材は、外側に毛が飛び出して抜けてしまうのを防ぐために、スパンボンド(不織布)などを使い中綿素材を包む、いわゆる“ダウンプルーフ加工”を施すのですが、「サーモア®」は、特殊な仕上げ処理を行っているため、その必要がないのです(※)。実際に毛抜けはほぼ見られません。スパンボンドを使用していないということは、その分薄く、軽く、柔らかく、かつコストも抑えられているということです。そこが他社との決定的な違いです。

 

 さらに、「サーモア®」が使用されている製品には、「サーモア®」のハングタグやラベルをご提供しています。それらはすべてカスタマイズでき、しかも無償です。

 

 品質が高く、かつ価格面でのメリットも大きい。これが私たちの強みといえます。

 

※「エコダウン ファイバー」を除く

 

――サステナビリティーへの取り組みにも力を入れていますね。

 

 「サーモア®」の商品は、「bluesign(ブルーサイン) 」や、「GRS―グローバルリサイクルスタンダード」の認証を受けています。「ブルーサイン」は、繊維業界において、環境、労働、消費者の観点で、持続可能なサプライチェーンを経た製品に付与される認証のこと。世界で最も厳しい基準といわれています。また、「GRS」は、環境に配慮した繊維素材が普及することを目指したもので、リサイクル製品を販売する際、原料調達から生産体制に至るまで、トレーサビリティーのあるサプライチェーンを経た製品に付与されるものです。

 

 こうした認証を取得するには、費用もかかりますし、厳しい検査を受けることにもなります。ですが、サステナビリティーへの意識が高い欧州においては、当然の要素として求められます。

 

 エコへの意識が高いスウェーデンを拠点とするH&Mとも2018年に取り引きが始まりました。「サーモア®」を選んでいただいた基準の1つとして、サステナビリティーに対する私たちの取り組みがあげられると思います。


「エコダウン・ファイバー」シリーズを紹介するムービー

――おすすめの商品を教えてください。

 

 私たちは現在、1年に1度のペースで新商品を発売しています。2016年は断熱効果をより持続させた「サーマル ブースター(THERMAL BOOSTER)」、2017年はストレッチ性の非常に高い「フリーダム(FREEDOM)」、そして2018年には、ペットボトルをリサイクルした再生PET原料を100%使用している「エコダウン(ECODOWN)」の耐久性をさらに高めた「エコダウン ファイバー(ECODOWN FIBERS)」をそれぞれ打ち出しました。

 

 2017年の「フリーダム」は、スポーツウエア市場の盛り上がりや世界的なストレッチブームが追い風となり、非常に好評いただいています。ちょうど2018年秋冬商品に採用されていますが、日本国内でも、スポーツメーカーからアパレルブランドまで、幅広くご利用頂いています。

 

 「エコダウン ファイバー」は2018年11月の発売だったのですが、その半年前の5月にはすでに公式サイトに掲載していたのです。ちょうどその頃ダウン高騰のニュースがあり、予想以上に多く問い合わせをいただきました。ちょっとびっくりしましたが…嬉しい誤算でした。

日本でもニーズが急拡大  サスティナブルな取り組みを広げたい

――日本でのビジネスが始まって4年が経ちますが、急速に需要が伸びているそうですね。

 

 日本でも、カジュアルチェーンからハイブランドまで幅広くご利用いただいています。それからスポーツメーカーとのプロジェクトも進んでいます。

 

 最近多いのが、ブランド側から「サーモアを使いたい」というリクエストを受けた生地商社が、私たちに問い合わせをしてくださるケースです。先ほどもお話ししましたが、「サーモア®」は、他社の中綿素材よりも薄くて軽い。それはデザインの自由度が高いということでもあります。それを知ったブランドが「サーモア®」に注目してくださっているのです。生地商社も、最初はお客様のニーズに対応するために興味を持ってくださるわけですが、仕入れ価格も他社より抑えられるので、喜んでいただいています。

 

 デザインの自由度の高さ、ダウンの高騰も、問い合わせが増えたきっかけですが、さらに大きな流れとしてあげられるのが、日本国内でも、サステナビリティーへの関心が高まってきたことです。欧米では一足も二足も早くその取り組みが始まっていますが、H&Mがショッピングバッグを有料化したこと、スターバックスがプラスチック製のストロー廃止を発表したことなど、ここにきてさらにその動きが強まっています。世界最大のテキスタイル見本市プルミエール・ヴィジョンでも今やエコは欠かせないコンテンツの1つです。こうした海外での流れを受け、日本のアパレル企業にもサステナビリティーへの意識が一気に広がっているのだと思います。

――日本における今後のビジョンを教えていただけますか?

 

 海外では、長期間にわたってお取り引きを続けているクライアントがほとんどです。言い換えれば、クライアントのブランドコンセプトや信念がぶれないので、「サーモア®」を使い続けてくださっているということでしょう。

 

 日本でのビジネスも4年が経過し、「サーモア®」に注目してくださる機会が増え、実際にお取り引きが始まったクライアントも着実に増えています。ですがその一方で、お取り引きが一過性で終わってしまうこともたびたびあります。その時のトレンドに合致し、企画の1つとして導入してくださるのですが、トレンドが変わればお取り引きそのものも終わってしまうということなのでしょう。残念ではありますが、ブランドのコンセプトが、トレンドに合わせて都度変化していく日本市場ならではの傾向かもしれません。

 

 商社だけではなく、ブランドによる認知も上がってきているとお伝えしました。ですが、「サーモア®」にどういう商品ラインナップがあり、どういうブランドにご使用いただいてるかどうか、具体的にはまだまだ知られていない部分が多いと感じています。今後は、ブランドの皆さまに、その点をより深く知っていただくたことが課題だと考えています。

 

 展示会に継続出展することにより、多くのお客様との出会いやお取り引きが生まれました。 3月には、「ファッション生産・素材ワールド 東京 春」(2019年3月27~29日)、5月には「プレミアム テキスタイル ジャパン2020春夏」(2019年5月21・22日)に参加しますので、商社様はもちろん、ぜひメーカーやブランド様にも私たちのブースに立ち寄っていただきたいと思います。

 

 サステナビリティーの観点から私たちに興味を持ってくださる企業も増えています。その流れを大切にし、サステナビリティーへの取り組みをはじめ、技術革新に向けた研究開発など、「サーモア®」本来のよさを知っていただいた上で、継続したお取り引きに繋げていければと思っています。

 

サーモアジャパン お問い合わせページ

 

(アパレルウェブ編集部)

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