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2016.03.11
オシャレの最先端!ロンドンファッションウィーク16AWに集まる勝負服スナップ
ロンドンコレクション レポート
高嶋一行(写真・文)
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ロンドンといえば、様々なカルチャーが混ざり合う都市。そして、ロックカルチャーやパンク、モッズなどの音楽だけでなくファッションにも影響を与えたムーブメントの源の場所。そのため、他の都市よりも自由なコーディネートやファッションを楽しむ傾向があります。
今回行われたロンドンファッションウィーク16AWにも、たくさんのファッション関係者が集まり、自慢のコーディネートで登場。例年通りの色鮮やかな個性あるファッション。ゴーシャスな装い。セレブリティの参加など、話題性の高いファッションイベントとなっていました。
たくさんのストリートスナップから、これから注目したいファッションスタイルや、より多くの視線を集め、会場のギャラリーを虜にしたコーディネートなど、ロンドンの「今」をご紹介します。
フェイクが当たり前!ゴージャスなファーやボア、ムートンスタイル
ランウェイショーに参加することは、パーティーイベントに出かけるようなもの。そこでとびっきりのゴージャス感を出すなら、ファーのボリューム効果が簡単で理想的です。ロンドンでも、他の都市と同じように、ファー素材はフェイクファーがメイン。まだまだ寒い2月のロンドンを暖かなファッションで飾り付けていました。
メインの着こなしはオーストリッチの様なシルエット
とにかく重要なのはボリューム。これを手に入れるために、フワフワとしたテクスチャーのファーアイテムをざっくりと羽織ることがポイント。そして、膨張効果のあるホワイトカラーなどで大きく軽やかに見せることが今回のロンドンファッションウィークスタイル。
他のアイテムはタイトなシルエットで統一し、メリハリを付けたコーディネートが王道と言えます。
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華奢な腕は出す!ファーベストでレイヤードスタイル
そして、同じくファー素材で目立ったスタイルが、ファーのベストを取り入れたコーディネート。
適度なボリューム感は欲しいけれど、女性らしいタイトなシルエットは残したい。そこで多用されたピッタリなアイテムがファーベストということです。胸元は豪華さと柔らかさ、防寒性を取り入れながらも、腕は出す。スタイリッシュなファッションが可能となるポイントです。
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フェイクファーだから自由自在。ピンクカラーが今!
リアルファーとは違い、どんなカラーにも自由に染めることができるフェイクファー。ブルーでもグリーンでもお好みの色、トレンドの色のアイテムを作り出すことができます。今回のロンドンファッションウィークでの定番カラーとなったのは「ピンク」。
鮮やかなピンクから、トーンを変えた多色を組み合わせたピンクまで、フェミニンな印象を受けるピンクファーファッションが会場を彩りました。
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アクセントとして使うなら戸惑わないこと!ファー入門スタイル
フェイクファーの人気はアクセサリーにもしっかりと繁栄。首元をゴージャスに飾れば、どんなカジュアルなファッションもエレガントな演出が可能となります。手頃なランウェイショー向けのコーディネートにも仕上がるはず。カラーは2色使いのインパクトあるデザインを選ぶ傾向にあるようです。
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バッグステージの共通点は?ボアやムートンのモコモコ感が人気
ランウェイショーを終えたモデルや、朝一のショーに向かうモデルをバッグステージ近くでキャッチ。彼女達の好むスタイルは、ファーではなくボアやムートン素材のアウターでした。たくさんのショー会場へと移動するための、機能性を重視した選択肢ということでしょうか。
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ステレオタイプのように!ロンドンらしいライダースジャケット
パンクやロックスタイルの王道ファッションアイテムであるライダースジャケット人気も健在。コーディネートの仕上げとして取り入れるファッショニスタも目立つシーズンとなりました。タイトなパンツと合わせるようなメンズファッションとは違い、ワンピースと組み合わせるなどルールは無用。クールな雰囲気が欲しいなら、レザーアイテムの力を借りたスタイリングがロンドンの街に溶け込んでいます。
王道アイテムだからこそ+α!自分らしい組み合わせを
ライダースジャケットをそのまま合わせるならメンズライクな着こなしになるだけ。ロンドンファッションウィークに集まったライダースジャケットスタイルは、シルエットを変えるなどの「もう一つのポイント」をどこかに加えています。これで一気に個性派スタイルとなるはず。
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ブーツカットのパンツや、7部丈のパンツなどで合わせることでライダースジャケットが主張し過ぎないファッションにまとまっています。ベーシックなアイテムほど、個性的な組み合わせを心がけています。
ワンピースやスカートと合わせてクールな女性像へ
ライダースジャケットの少しハードな印象を味方につけて、クールなスタイリングを取り入れた着こなしもロンドンならでは。ワンピースやスカートファッションに、レザージャケットでスタイリッシュな雰囲気が手に入ります。ショート丈でハイウエストなスカートとも違和感のないコーディネートが可能です。
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ブラックカラーがメインのレザージャケットなら、プリントドレスやライトカラーのアイテムともマッチ。ジャケットよりもカジュアルで、肩の力を抜いたコーディネートに仕上がります。
眩しく飾る醍醐味!ファッションウィークといえばドレス
自分のクローゼットの中から、一番の晴れ着で参加するイベントこそファッションウィーク。そして、個性あるブランドが集まるロンドンファッションウィークとしてお約束となっていることは華やかなドレススタイル。「メアリーカトランズ(Mary Katrantzou)」などのプリント生地やテキスタイルを得意とするブランドのショー会場では、特に鮮やかなドレス姿が咲き乱れます。
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ドレスを華やかに飾るなら、プリントファブリックを使用したドレスがロンドンらしいスタイル。「メアリーカトランズ」のランウェイショー会場となったセントマーチンズでも、たくさんのテキスタイルデザインを学んでいる学生が在籍している学校です。テキスタイルを重点的な専攻学科としているところもイギリスファッションの特徴でもあります。
武器は影響力!セレブリティのファッション力量は?
ロンドンファッションウィークの人気ブランドなら、そこには必ず集まるセレブリティ達。彼女達はブランドアイテムを華麗に、そして魅力的に着こなすファショニスタとして会場を沸かします。
セレブリティが会場に到着し、シャッターフラッシュを浴びる光景はまさにランウェイショーの「前座」とも言える恒例行事のようなもの。注目ブランドの最新アイテムを着こなしたセレブリティのコーディネートをお手柔らかにチェック。
世界が認めるトレンド先駆者のアレクサ・チャン
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「ハウス オブ ホランド(House of Holland)」の会場に遅れ気味にやってきたアレクサチャン。同ブランドらしいラメっ気のあるドレスに、ホワイトとブラックの柄が個性的なフェイクファーコートで登場しています。夜に行われたランウェイショーに合わせたような、パーティー仕様のファッションが印象的。ロンドンファッションウィークの常連である彼女の今シーズンイチオシのコーディネートです。
数々のショーに現れたモデルのデイジー・ロウ
イギリスを拠点に活動する人気モデルのデイジー・ロウは、今回のロンドンファッションウィークでも数々のランウェイショーに姿を見せています。その中でも、モノトーンのドレスと眩しいホワイトのコートで登場したのは、「アシュリー ウィリアムズ(Ashley Williams)」のショー会場。そのゴージャスな姿に、会場全体が一瞬にしてシャッターの嵐に変わるほど。
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バーバリーのショーは多くのセレブリティも気になるイベント
今後のセールスの意向やブランドの統合など、ファッションビジネスに関する話題が尽きない「バーバリー(Burberry)」。もちろん、最新のコレクションに関しても常に注目が集まるブランドであり、ロンドンファッションウィークの目玉ブランドでもあります。
そのため、会場に集まったセレブリティも多数。モデルや女優、音楽関係と異業種交流のような会場となっています。それぞれが「バーバリー」のドレスやアウターを自分スタイルで着こなした姿は魅力的そのものです。
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モデルのスキ・ウォーターハウスはトグルが可愛いブラックのコートに、レース素材のドレスの組み合わせ。かわいい雰囲気に少しハードなシューズで締めています。
モデルのミシャ・ハートはジラフ柄のアウターをアクセントにしたファッション。タイトなシルエットでまとめたスタイリッシュスタイルです。
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(左から)モデルのリリー・ドナルドソン/エルヴィス・プレスリーの孫娘ライリー・キーオ
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(左から)女優ノオミ・ラパス/女優ローラ・ハドック
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DJのハーレー・ヴィエラ・ニュートン
リリー・ドナルドソン、ライリー・キーオ、ノオミ・ラパスのそれぞれ3人がコーディネートしたブラックのヒールが印象的。ブラックカラーでありながら視線を集めるアクセントに、足元をセクシー飾るデザインが魅力あるシューズです。
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(左から)シンガーソングライターのトム・オデール/フォトグラファーのマリオ・テスティーノ
女性陣だけでなく、男性セレブリティもバーバリーのコーディネートで登場しています。トム・オデールはイケメンのシンガーソングライターとしてイギリスで人気。マリオ・テスティーノはファッションのフォトグラファーとして、バーバリーやグッチなどの撮影を行う写真家セレブです。
オシャレの基本は足元!宝石感あるヒールはいかが?
ドレスアップしたファッションと同じく、シューズこそ忘れてはならないアイテムです。ロンドンファッションウィークで注目を浴びたのは、ゴールドやクリスタルなどの宝石感あるヒール。フロントからは見えない装飾がヒール部分にデザインされた、背中でオシャレを楽しむスタイル。
オシャレは足元が大切と言いますが、手抜きなしのアイテム選びに脱帽です。
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高嶋 一行(たかしま・かずゆき)
ロンドンのELEY KISHIMOTOにてデザインアシスタントを経験後、日本では海外ブランドのセールス・PRエージェント会社に勤務。 現在はイギリスに戻り、英国を中心としたファッション記事を執筆中。 現在、ファミリーセールやサンプルセールの情報サイト「tokyosamplesale.com」(毎日更新)も運営している。
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