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2016.02.10

アマゾンはファッション販売で全米トップになれるか!?

amazon.comのサイトより

 なにかと話題のアマゾン(amazon.com)ですが、2017年までにアパレルとファッション雑貨の販売において、メイシーズの売り上げを追い越し米国でナンバーワンのストアになるのではという予測があります。実際、同サイトは昨年のホリデーシーズンには、家電製品のアイテム数を超す300億アイテムのアパレルとファッション雑貨のラインナップを実現し、過去12ヶ月で91%増という脅威の増加率を見せました。リアル店舗でしか販売されなかった書籍や電化製品などを、インターネットで販売するというメインストリームへ導き実現してきたアマゾンが、今度はアパレルとファッション雑貨の順番だと全力を挙げているのです。

2020年の米国ファッション市場予想 アマゾンが首位に

amazon.comより。レベッカミンコフのバッグ

 アマゾンではブランド企業との契約に力を入れており、「ケイト・スペード」「ジャック・スペード」「ラルフローレン」「マイケル コース」「トミーフィルフィガー」「ヴィヴィアン・ウエストウッド」「トレイシー リース」など、多くのブランド商品がすでにアマゾンで販売されています。「マーク バイ マーク ジェイコブス」や「ジャック・スペード」などは、昨年実店舗を閉鎖しオンラインのみの販売や一部の店舗のみにフォーカス、縮小したブランドもあり、こういった企業にとっては、出店コストのかからないアマゾンは、非常に魅力的な販売プレイスと言えます。アマゾンは、メンズのNYファッションウィークのスポンサーにもなっており、ファッションビジネスに真剣に取り組む姿勢です。また、NYブルックリン以外にも昨年ロンドンに4万6,000sqft(約4,275平米)のフォトスタジオをオープンしており、1年に50万着の商品の撮影を可能としています。リサーチ会社のコーエン(Cowen)グループによると、アマゾンのアパレル&ファッション雑貨の売り上げは500億ドルに達するとされており、2020年までに米国アパレル市場の14%を占めることになると予測されています。これは、メイシーズ、TJ マックスグループ、ウォルマート、ノードストロームを凌ぐ勢いです。

アマゾンのオリジナル衣料 まもなく販売スタート

 昨年から話題となっているのが、アマゾンがアパレル&雑貨のPB商品を準備中であること。消費者が望んでいても、アマゾンでの販売をしない方針の企業も存在します。それならば、同じような商品を作ってしまえというのが根本的なアイデアです。“アマゾン”ブランド名にするとは思えませんが・・・ちなみに、ホーム&キッチンプロダクトでは「ピンゾン(PINZON)」、パティオ&アウトドアでは「ストラスウッド(Strathwood)」、低価格帯の電化製品で「アマゾンベーシックス(Amazon Basics)」などのPBコレクションがあり、その他、食料品のPB販売もしています。他のどの企業にも勝る膨大なデータを利用すれば、ある企業がドロップした商品や売り切れた商品の中からでも、消費者が求めている人気のデザインを分析することは容易であり、「ジェイ クルー」よりも、消費者が求めているカシミヤのセーターを作ることができるかもしれません。アマゾンのPB商品が売れるのかと思われる人もいますが、既にアパレル&雑貨デパートメントで様々な試運転を行っており、まもなく2,500型の商品がサイトに登場するそうです。

プライム会員5,000万人を抱えるアマゾン 急ピッチでファッションビジネスを構築する

 他のどこよりもベストな価格で提供するというプラットフォームは、消費者にとっては非常に魅力的です。しかし、アパレルやファッション雑貨となるとフィット感や色、柄、肌触りなど実際に手にしてみないと分からないことが多く、米国ではオンラインで販売された商品の40%が返品となっています。こうなるとアマゾン・ショールームや実店舗の展開も将来的に視野に入れているのでしょうか。しかし、なんと言っても米国のアパレル&ファッション雑貨は2,500億ドルと言われる巨大市場です。返品や物流などのインフラの課題もありますが、米国で5,000万人と言われるプライム会員を確保し、急ピッチでファッションビジネスを構築している状況は、大きな可能性を秘めた脅威とも思えます。


 

 

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