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2023.09.26
百貨店とSCの8月売上、好調続く 盛夏とイベント需要がけん引
日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が8月度の売上高を発表した。盛夏により夏物商材が動き、夏場のイベント需要も好調だったことから、ともに前年を上回る状況が続いていることが分かった。
■百貨店は18カ月連続で前年上回る
25日、日本百貨店協会が8月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)11.8%増の3,897億3,447万1,000円となり、18カ月続で前年同月を上回った。
猛暑や旅行、帰省などで盛夏アイテムが活況。夏休みにおける催事やイベントも奏功した。さらに円安を背景としたインバウンドも大きく売上に寄与しており、新型コロナ前の2019年8月比では、全体の売上は4.2%減ながら、インバウンドは同24.1%増と大きく伸びている。
■化粧品や家電、飲食が大きく伸びる
大都市、都市以外の地区は全て前年同月を上回った。大都市では札幌(前年同月比:15.1%増、以下同じ)、東京(10.0%増)、名古屋(13.2%増)、京都(19.5%増)、大阪(22.3%増)、神戸(16.6%増)、福岡(23.9%増)と多くの都市で2桁割合の増加率。都市以外の地区では中部(5.2%増)、近畿(6.5%増)、四国(6.4%増)、九州(6.4%増)で前年同月比の伸びが大きめだった。
商品別売上高はほとんどの部門で前年同月を上回った。中でも婦人服・洋品(前年同月比:15.4%増、以下同じ)、身の回り品(20.8%増)、化粧品(26.2%増)、家電(34.4%増)、食堂・喫茶(29.7%増)で伸び率が大きめ。一方で、その他衣料品(3.0%減)、サービス(23.1%減)、商品券(7.0%減)の3部門で前年同月を下回った。
■ショッピングセンターも18カ月連続で前年上回る
同日、日本ショッピングセンター協会が8月度のSC販売統計調査報告を発表。売上高は前年同月比12.2%増の5,337億7,863万2,000円となり、百貨店同様に18カ月連続で前年同月を上回った。
各地の夏祭りや花火大会などの地域イベントや、インバウンドで来店客数が増加。猛暑を背景として、ファッション部門は盛夏商材が大きく動き、医薬・化粧品部門では紫外線対策商品が好調。飲食部門は旅行客や帰省客などの家族連れにより好調だった。
■都市部、その他の地域とも7カ月連続で前年上回る
売上のうち、テナントが前年同月比13.4%増の4,181億8,382万1,000円。キーテナントが同7.7%増の1,156億251万1,000円となり、全体同様に18カ月連続で前年同月を上回った。
百貨店と同様に大都市やその他の地域は全て前年同月を上回る。百貨店が2月以来6カ月ぶりに全地域で前年同月を上回った一方、ショッピングセンターは2月から7カ月連続で前年同月を上回っている。
大都市では札幌市(前年同月比:21.1%増、以下同じ)、東京区部(22.0%増)、京都市(16.8%増)、大阪市(19.7%増)、広島市(21.4%増)、福岡市(26.3%増)で大きく伸びた。その他の地域の中では東北(12.3%増)、北陸(12.2%増)、九州・沖縄(10.70%増)で2桁割合の伸び率だった。(記事:県田勢・記事一覧を見る)