NEWS
2019.04.02
大日本印刷、会場を歩いて鑑賞するように体験できるVRコンテンツを制作
(画像: YouTubeより。)
大日本印刷は2日、同社が開発した、2地点で撮影したパノラマ静止画により、高品位・360度のパノラマ VR(Virtual Reality:仮想現実)映像を生成できるVR製作技術を用いて、展覧会会場を自由に歩いて鑑賞するように仮想体験できるVRコンテンツを制作し公開した。
【こちらも】VRで芸術作品や絵画鑑賞のバーチャルギャラリー、大日本印刷が開発
VRコンテンツでは、3月1日から6月9日まで福島県須賀川市のCCGA現代グラフィックアートセンターで開催される、「ヘイセイ・グラフィックス展」の展覧会会場内を仮想体験できる。コンテンツは、大日本印刷のWebサイトで配信され、従来のパノラマVRや写真では伝えきれない室内空間の雰囲気なども手軽に楽しめる。
大日本印刷が開発したパノラマ VR製作技術では、独自開発した画像解析(コンピュータビジョン)技術と描画(コンピュータグラフィックス)技術を用いることで、撮影した2地点間のどの位置に視点を置いても360度の光景を高精度に再現できる。
従来の360度パノラマVRは、撮影した位置だけで360度の光景を表現していた。開発技術では、2地点の360度画像から撮影された被写体の位置を解析して特定することで、位置を変えても360度のパノラマビジョンを再現することに成功した。
また、従来のバーチャル空間内の視点の移動では、移動に伴い表示の歪や、不連続な画面の切り替わりが生じていたが、開発技術では、2地点間を歩いて移動するようなスムーズな画面の移動表現を実現している。
VRコンテンツの制作も、複数の地点でパノラマ写真を撮影するだけで可能。そのためCG技術によるVRに比べて、短期間かつ低コストでVRコンテンツを制作できるという。
大日本印刷では今後、開発したVR制作技術改良して、歴史的建造物のアーカイブや観光地ナビゲーション、工場や不動産の見学用のコンテンツ制作サービスに活用していくという。