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2018.11.01
ドゥクラッセのマーケ戦略 4年ぶりにTVCM放映、LINEやアプリで顧客接点拡充しターゲット層を明確化
DoCLASSE(ドゥクラッセ)は11月2日、戦略商品「マジカルサーモコート」のプロモーションで4年ぶりのテレビCMに挑戦する。これに先駆け、9月にはLINEの公式アカウントを開設して顧客接点の拡充を図ったほか、通販サイトのリニューアルも実施し、CM視聴者の受け皿としてフル活用する。
同社は創業11年でグループ売上高が275億円(2018年7月期)まで拡大しているが、「ドゥクラッセ」ブランドの関東での認知度は26%にとどまっており、次の成長に向けてブランドの"顔"となる戦略アイテムを「マジカルサーモコート」に設定し、ブランド認知を高めながら当該商品の価値を訴求するためにはテレビCMが最適と判断した。
15秒と30秒の尺の中で、"スリムで軽くて暖かい"という「マジカルサーモコート」の特徴を効果的に打ち出すためにもインパクトを重視。米映像コンテンツ制作会社のメソッドスタジオNYとタッグを組み、最先端のビジュアルエフェクトの技術を駆使したCGキャラクター(画像(上))と、印象に残る激しいダンス、「ドゥ・ドゥ・ドゥクラッセ」という音楽の3つの要素でCMの世界観を構築した。また、CMにはドゥクラッセの通販カタログでもモデルとして活躍するRINAさんを起用。羽毛やダウンジャケットを模して丸々したCGキャラクターに変身して踊り、最後は同キャラクターがはじけて、「ダウンにさよなら」「スリムであったかい」の文字と一緒にRINAさんが「マジカルサーモコート」を着用して登場(画像(下))。「ダウンは暖かいけど太って見える」という女性の悩みを解消できるコートとして訴求している。
当初、CMは関西だけで放映する予定だったが、6月にグループの最大店舗となる新宿アルタ店をオープンしたことや、4年前に関西でCMを放映したときとは異なり、ドゥクラッセの売り上げ、店舗数ともに関東が6割程度を占めていることから、関東・関西の両エリアでの放送を決めた。
新CMでは冒頭から「マジカルサーモ」の検索窓を表示することでウェブ誘導を図る。同社では、9月12日に通販サイトを刷新。トップページで「マジカルサーモコート」を紹介するほか、特集ページも設け、CM視聴者が迷わずに購入できるようにした。放映開始前日からはトップページでもCM動画を流す。
近年、同社では新規顧客の開拓に新聞広告を多用してきたこともあって60~70代の顧客が増えているが、「次のステージに向かうためにはメインターゲットを創業時の53歳に戻す必要がある」(藤原尚也CMO兼web事業長)とし、テレビとウェブを有機的につなぐためにもサイト刷新を先行実施した。
同社はCMを視聴してサイトを訪れた消費者に、「マジカルサーモコート」購入後も定着してもらえるようにサイトの使い勝手も改善。購入ステップの簡略化などを実施した結果、CM放送前からサイト訪問者の離脱率や直帰率が減った。
9月4日にはLINEの公式アカウントを開設。友だち追加で人気スタンプクリエイターのnaonao3さんが描く「ガーリーくまさん」とドゥクラッセのコラボLINEスタンプをプレゼントするキャンペーンを実施し、LINEの友だちが大勢いる間にテレビCMが始まるようにスケジュールを組んだ。
スタンプは顧客年齢層を考慮したキャラクター設定としたほか、「おつかれさまです」や「ありがとう」など、当該層が日常的に使える言葉を選んだこともあり、プレゼント期間中に計画を上回る360万人の友だちを獲得。ブロック率は想定より低いようで、かなりの人数にメッセージを届けられる状況にある。
また、同社では新たな集客ツールとしてスマホ用のウェブアプリも始動しており、実店舗ではアプリのダウンロードを促し、プッシュ通知で情報を配信している。今後は、ECシステムを来年8月にフルリニューアルする計画で、同年10月頃には、ブラウザーを介さずスマホ端末の処理で動くネイティブアプリをローンチし、スマホ経由の売り上げを伸ばしたい考え。
なお、CMにも登場する新作「マジカルサーモ・フードコート」はテレビ東京系の経済ドキュメンタリー番組でとり上げられたこともあり、10月下旬時点で4万枚を販売。同社ではCM効果を期待し、今シーズンは当該商品だけで18万枚の販売を目標としている。