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2018.08.23
ロコンド 婦人服の三鈴商事を買収、在庫共有やオムニ化推進
靴とファッションのネット販売を手がけるロコンドは婦人靴専門商社の三鈴商事を支援することを決め、新設分割で同社の全事業を継承する新設会社「Misuzu&Co.株式会社」の全株式を10月1日付で譲受する。取得額は1億2000万円。ロコンドは買収を機にECチャネルと実店舗間の"在庫シェアリング"を強力に推進するのに加え、三鈴商事の自社ブランドを「マンゴー」に次ぐ第2弾の戦略ブランドに位置づける。
今回の買収スキームは三鈴商事が10月1日に新設分割で「Misuzu&Co.」を設立し、全事業を移管した後にロコンドが新設会社の全株式を引き受ける形だ。ただ、株式取得は三鈴商事の取引先金融機関など金融債権者の同意が得られることを条件に実行する。
三鈴商事はロコンドが提供する自社EC支援や物流受託サービスのほか、店舗欠品フォローシステムや店舗用POSレジシステム、会員カード兼QR決済機能に加え、来年1月をメドにサービス化する基幹システムと、BtoBおよび展示会向けの受注システムといった総合オムニパッケージを導入。三鈴商事の在庫はOEM分を除いてすべてロコンド倉庫で保管するとともに、百貨店や卸事業を含めたすべての業務をロコンドのシステムで一元管理し、オムニ戦略や業務のデジタル化を実現するという。
同社は靴業界のオムニ化・デジタル化の成功事例として三鈴商事で成果を出し、他の靴メーカーへの横展開も狙う。
三鈴商事は「バニティービューティー」や「ソフィアコレクション」などの自社ブランドを手がけており、オムニ対応を強めることで売り上げ拡大と利益改善を図る。同社の直近の業績は2016年8月期の売上高約36億円、営業利益100万円に対し、17年8月期は売上高約30億円、営業損失が5億円弱。
ロコンドは4月にギフト販売大手のシャディをラオックスと買収したほか、5月にはスーツに見える作業着「ワークウェアスーツ」などを展開するオアシスライフスタイルグループの第三者割当増資を引き受けるなど投資を活発化。今後もロコンドと組むことで企業価値向上が図れるブランドとは資本・業務提携を問わず検討していく。