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2023.07.10
スーパースタジオと三井不動産 渋谷にOMO型店舗を開設へ ECブランドのリアル進出を支援
EC基幹システム「ecforce(イーシーフォース)」を提供するSUPER STUDIO(スーパースタジオ)と三井不動産は7月15日、三井不動産が展開する東京・渋谷のMIYASHITA PARK内の商業施設「RAYARD MIYASHITA PARK」に、OMO型店舗「THE[]STORE(ザ・ストア)」をオープンする。
「ザ・ストア」はスーパースタジオと三井不動産がEC事業者に提供するOMOソリューションのひとつとして展開する初のリアル店舗だ。店頭ではECブランドをサポートする各種施策を盛り込み、リアルの場でもEC事業者が世界観を最大限に表現してビジネス成長につなげられるようにする。
消費者に対しては、〝行くたびに新しいブランドに出会える〟をコンセプトに、普段はリアルの場で出会うことができない多様な人気ECブランドの商品に触れられるようにする。
スーパースタジオによると、EC主軸で成功した多くのブランドがさらなる売り上げ拡大のためにリアル店舗出店を検討する一方、店舗運営の人的リソースや運営ノウハウの不足、出店コスト、リアル店舗でのデータ取得などが課題となり、出店に踏み出せないケースがあるため、「ザ・ストア」ではこうしたECブランドの課題をサポートする。
昨年5月に「RAYARD MIYASHITA PARK」の「&BASE」で実施したポップアップストアには約2000人が来店し、売り上げが目標の2倍となった。今回、出店する「ザ・ストア」はポップアップストアの実証実験で得たノウハウやシステム上の改善点をもとに、店舗設計やOMOソリューションの仕組みを構築した。
具体的には、ECブランドは週単位でリアル店舗の出店が可能で、食品の試食や新商品発表、トークイベントなどリアルの場ならではの体験価値を提供できる。
ブランドの世界観を最大限表現できるよう店頭の大型モニターと2面のデジタルサイネージを用意。また用途やブランドイメージに合わせてカスタマイズできる可変式の什器を用意するほか、どんなブランド、商品を陳列しても馴染むモノトーンを基調とした内装デザインとし、出店にかかる初期費用を最小限に抑えつつ、自社店舗さながらの空間を表現できるようにした。
店頭で商品に紐づけられたQRコードを来店者のスマートフォンで読み取ることで、EC同様の購入方法を実現。リアル店舗でありながらEC同様に顧客データの取得や、取得した情報をもとに顧客への継続的なマーケティング施策の実施、継続購入率の分析、リアル店舗では通常実現が難しい定期購入の訴求を可能にする。
また、店内や店外に設置されたAIカメラで来店者の行動、目線データを取得し、商品配置や店舗内導線についてデータをもとに改善が可能だ。
接客は「ザ・ストア」常駐スタッフが対応するため、人員確保が不要で、リアル店舗出店の課題である人的リソースの確保に寄与するという。
商品は、来店者のスマホを使って商品に紐づけられたQRコードを読み取ることで、買い物かごに追加できる。商品選択完了後にその場で必要な情報を入力することで、レジに並ぶことなく商品購入が完了する。商品は店頭での受け取りはもちろん、「自宅配送」を選択して自宅で受け取ることもできる。
出店ブランドはストリートアパレルブランドの「MEQRI(メクリ)」(画像はイメージ)を皮切りに、1~2週間ごとに入れ替わる形で、ヘアプロテインD2Cブランド「iFur(イファー)」、自宅焙煎コーヒーブランドの「weroast(ロースト)」、クラフトカクテルの「koyoi(コヨイ)」などを予定する。
スーパースタジオは、EC事業者に向けてECカートシステムだけでなく、商品企画から製造、マーケティング、物流、コールセンター、購入後の顧客への継続的なマーケティングまでトータルソリューションを提供している企業だ。
三井不動産グループは「三井ショッピングパーク ららぽーと」など約130の商業施設を管理・運営しているほか、通販サイト「アンドモール」を展開しオムニチャネル化を推進するなど、購買体験を高めるさまざまな取り組みを行っている。
三井不動産は昨年6月にスーパースタジオへリードインベスターとして出資を行い、スーパースタジオのEC運営に関する知見と三井不動産のリアルアセットの強みを組み合わせたECブランドへのOMOソリューションの提供に取り組んでいる。
「ザ・ストア」はこのOMOソリューションの施策として提供する初のリアル店舗で、ECブランドのリアル店舗出店に伴う各種課題を解決し、リアルとデジタルを組み合わせたビジネス成長を支援する。