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2022.09.15
ファンケル 肌着事業を強化、中価格帯市場開拓しカタログ刷新
ファンケルは、肌着事業を強化する。雑貨と肌着のカタログを10月号から統合。生活シーンに合わせたライフスタイル全般の提案を通じ、顧客の買い回りを促す。9月に発売する限定商品の新肌着ラインでは、市場で手薄な中価格帯ニーズの開拓を狙う。
下着市場は、体形の補正、ファッション性を重視した専門メーカーの高価格帯(1万円前後)、ユニクロの「ワイヤレスブラ」に代表される着心地重視の低価格帯(3000円以下)のシェアが高い。
利用シーンでは、在宅・外出時で下着を使い分ける層も少なくない。一方、最近は、コロナ禍の在宅が続き、量販品に機能面で物足りなさを感じる層も増えているとみる。フェムケアニーズの高まりもみられる。こうした中、機能と快適性を両立した中価格帯市場(3~5000円)の開拓を目指す。
9月16日に発売する新ライン「Colorful(カラフル)」は、フィットブラ(税込3800円)、フィットショーツ(同1500円)、ストレッチフィットガードル(同4000円)の3アイテムを展開。38歳前後に訪れる体形変化の悩みに対応した機能を備え、トレンドを意識したデザイン・カラー(ペールミント、ペールグレーの2色展開)、肌あたりのよい素材や縫製にこだわり、圧迫感のない着用感や肌への優しさを実現したという。
肌着事業の主要顧客は、50代前半。通販は試着で使用感がつかみづらいため、これまで既存顧客向けの提案が中心だった。
今後もインリストを中心に展開するものの、化粧品等で接点を得て間もない30~40代の新規顧客への提案を強化する。同世代向けに季節やトレンドを意識した限定商品の展開を通じてニーズを見極め、定番化を進める。
商品提案も効率的に進める。今年に入り、肌着や雑貨を担当するニューライフ事業部を再編。肌着、雑貨の商品企画と販売企画の部門を統合した。各顧客向けに送付していた雑貨カタログ「ニューライフ」、下着カタログ「エフボディ」も統合。送付部数の最適化を図りつつ、クロスセルを強化する。例えば、カタログの特集ページでは、「睡眠」をテーマにナイトブラとパンツ、アロマディフューザやオイル、ハーブティー等をトータルで提案するように変えた。
肌着事業の開始は1999年と古い。当時、ファッション性重視の下着が主流な中、肌への優しさ、快適な着用感を追求した機能性下着を手がけた。連結売上高に占める「その他事業」の売上高約25億円(22年3月期実績)の中心を占め、徐々に拡大している。
主力商品は、ノンワイヤーブラ、乳がん経験者や授乳女性、障害を持つ女性等の悩みに対応した前開きブラなど。フェムケアニーズの高まりを受けて情報発信を強化する。