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2022.07.14

富士ロジテックホールディングス EC挑戦を物流から支援、D2C向けに荷姿や梱包も提案

 

 自社ブランドを消費者に直接表現する場所としてECは最適な舞台だ。コロナ以降、EC市場でD2Cに挑戦するスタートアップ企業は少なくない。しかし、高いゴールを目指す上で、伴走する協力企業を選ぶ際には外せないポイントがいくつかある。その一つが物流だ。

 人手も予算もノウハウも限られているスタートアップ企業では、物流業務を外注するケースがほとんどだが、D2Cで物流が担う役割は想像以上に広くある。特に消費者と最初の出会いとなる荷姿については、箱のデザインや形状、同梱チラシなどが自社のブランディングを的確に表現できているか、その演出までもしっかりと任せられる物流企業を選ぶことが欠かせない。

 通販物流支援などを手がける富士ロジテックホールディングスでは、一定の物流量までを対象とした小規模向けの「D2Cスタートアッププラン」を提供。同プランでは保管から発送といった従来の通販物流業務だけではなく、D2C専用の物流プランを提案している。特徴はパッケージやメーリングの専門企業と組んで行う荷姿からのブランディング設計だ。一般的に完全機械化の物流企業の場合、商品に合わせた形や素材、ロゴ入りの有無など、個別の荷主ごとの専用資材に対応することは難しいが、同社では提携する専門企業を通じて専用パッケージのデザイン企画から同梱物の設計、カスタマイズまですべてに対応するという。

 過去には入浴剤のD2C企業のクライアントについて、商品のブランディングプランを相談した上で、ポストインによる投函を提案し、それに合わせて荷姿と商品の形状を変更した。宅配便よりも配送コストを抑えることができたほか、顧客が不在でも受け取りやすい形にしたことも奏功し、売り上げが大きく伸びたという。「同梱物によるマーケティングで1to1にどう近づけるか。昨今のサステナブルのニーズが高まる中で、(脱プラによる)紙の緩衝材をどう使っていくか。今は物流側がD2Cの潮流を理解した提案をできなくてはいけない」(西間木智通販営業部部長)とする。

初期のコスト負担は最小限

 また、同プランにおいて、もう一つの特徴となるのが費用の安さだ。ゼロからECを始める企業にとって最初の壁となるのが物流でのイニシャルコスト。同プランでは初期費用や初回のシステム開発費用は無料とし、最低保証金額なども導入せずに利用できる仕組みとなっている。

 加えて、まだ実績の乏しいスタートアップ企業の場合、宅配業者との価格交渉には高いハードルがあるが、そうした部分も同プランを利用することで、同社側が代わりに行えることができるようになり、価格メリットを提供することができるという。

 D2Cが成長する中、市場特有のトレンドなども深堀りしながら、物流を起点に様々な角度でスタートアップECの成長を支えていく。

 

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