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2021.04.08
しまむら 初年度のEC売上は17億円、店舗受取りが約9割に、3年後に120億円を計画
カジュアル衣料大手のしまむらは、昨年10月1日に開設した自社通販サイト「しまむらオンラインストア」が順調な立ち上がりとなり、初年度(2021年2月期)のEC売上高は、9月にサービスを終了したスマホアプリ「しまコレ」の売上高と合わせて、ほぼ計画通りの約17億円となった。
同社は、自社ECのオープンに先立って既存の東松山商品センター(埼玉)の敷地内にEC専用の物流センターを開設。自社ECの第1弾として、基幹事業「ファッションセンターしまむら」で実店舗向けの物流網を利用して送料無料となる「店舗受取り」を軸にした”ローコストEC”の運営を始めた。
自社ECの利用状況については、送料のかかる自宅配送は1割程度にとどまり、店舗受取りが約9割と想定以上で、EC事業の目的のひとつである”ECから店舗への送客”で成果を得ている。
ECでは9月まで運営していた、気になる商品を最寄りの実店舗に取り寄せることができる「しまコレ」と同様に、インフルエンサーとの共同開発商品やキャラクター商品、大きいサイズや限定カラーなどオンライン限定アイテムが売れ筋という。サービス面では、12月からECチャネルで予約販売を開始し、売り切れによる販売機会ロスの軽減にも取り組んでいる。
しまむらは今期(22年2月期)を初年度とする3カ年の中期経営計画をスタート。オンラインストアについては全事業で展開することで顧客の利便性を高めるほか、全国約2200の実店舗と自社ECとのシナジー効果を最大限に発揮したい意向だ。まずは、しまむら事業と比べ店舗数が少ないバースデイ事業でECニーズが高いことから、今年9~10月頃にEC展開を開始する予定だ。
同社はEC売上高として今期は50億円、23年2月期は100億円、最終年の24年2月期は120億円を計画。今期は50億円のうち、しまむら事業で40億円、バースデイ事業を中心にそのほかの事業で10億円を見込む。なお、現状のEC物流センターはEC売上高で50億円規模の能力のため、3カ年では関西エリアでもEC専用センターを建設する計画という。