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2018.03.08
ヤフーの仮想モール 出店者向けに新物流サービス構想か、SBファンドの出資先活用?
ヤフーは運営する仮想モール「ヤフーショッピング」の出店者向けに新たな物流サービスを構想していることを示した。3月2日に都内で開催した優良店を表彰する「ヤフーショッピングベストストアアワード2017」の表彰式に登壇したヤフーの仮想モール事業を統括する小澤隆生ショッピングカンパニー長が言及したもの。具体策は明言しなかったが、グループのファンドが出資した企業の仕組みや技術の中からフィットするものを取り入れるなどし、サービス化していく構想のようだ。
小澤氏(写真)は授賞式終了後に「ヤフーショッピング」の有力出店者らに戦略共有会と題して、今期の「ヤフーショッピング」の振り返りと来期以降の方向性について説明した。まず今期の「ヤフーショッピング」について昨年2月から開始したグループの携帯電話キャリア、ソフトバンク(SB)のスマホ契約者を対象に、「ヤフーショッピング」での商品購入時に付与する「Tポイント」を10%(通常は1%)とする試みが「非常にあたった施策だった」(小澤氏)とし、1年前に比べてSB契約者による注文者数が3倍、SB契約者が占める取扱高は4倍超まで拡大したことで全体の流通額を前年比で3割近く押し上げたとした。
その上で来期以降もSBユーザーへのヤフーショッピングの利用促進策を継続・強化するとし、まず終了時期を明示していなかった「SB契約者へのポイント10%付与キャンペーン」を「やめるつもりはない。(今後も)継続する。(終了の)期限は設けない」(小澤氏)し、さらにいまだ3割程度にとどまるSB契約者の購入者率の引き上げを図るため、SBが契約者向けに特定店舗の商品などを無料配布するなどの特典「スーパーフライデー」に「ヤフーショッピング」の利用を促すキャンペーンをからめたり、SB店頭でスタッフが契約者に利用を推奨する取り組みを強化していく考えを示した。
一方で「ヤフーショッピング」のUI・UXの改善に引き続き、取り組むとし、商品の検索や購入の導線の1つとして有用な「売れ筋商品ランキング」について、現状は「シンプルに購入者数で決めているために、すごく低単価なものが上位を占めている状況でこれはまずいと。ただ、購入額にすると高額な商品が少し売れると上位にきてしまうため、これも違う。その中間として、お客様にとって本当に望まれた商品がランキングに入るような形にする」(小澤氏)として、2月から一部のユーザーに対して、新たな仕組みで作られたランキングの表示を始めるなどテストを開始しており、結果次第で近く本格導入を行う模様。
また、4月からは出店者が「よくある質問」をあらかじめ表示できる「Q&A」機能や今夏ころをメドに、現在もある「ヤフーショッピング」全体でではなく出店者が自社店舗独自に商品購入のたびにスタンプを付与して特典などを付与する仕組み「ストアスタンプカード」など各出店者の評価向上やファン作りに寄与する新機能を導入する意向を示した。
さらに出店者向けの新たな物流サービスの構想についても言及。「この場で倉庫を建てるとか、トラックを2万台買いますとかなどの発表はしない(笑)が、必ず取り組む決意」(同)とし、例えばソフトバンクグループが設立した超巨大ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が出資する物流に関連する技術や仕組みを持つ企業があれば、「その仕組みが日本で合うかどうか判断して上で、フィットするならば(一緒にやって取り入れたい)。楽しみにしておいてください。いつかやります」(小澤氏)と新たな物流サービスの構想を示唆した。
このほか、現状は対応していない定期配送を近く実装した上で消耗品などがなくなる前に何らかの方法で通知する仕組みと組み合わせたり、実店舗を持つ出店者などが顧客への商品の引き渡し拠点として店舗を選択できる試みなどにも対応するなどして物流問題に取り組んでいく姿勢を示した。
このほか、現状は対応していない定期配送を近く実装した上で消耗品などがなくなる前に何らかの方法で通知する仕組みと組み合わせたり、実店舗を持つ出店者などが顧客への商品の引き渡し拠点として店舗を選択できる試みなどにも対応するなどして物流問題に取り組んでいく姿勢を示した。
なお、「ヤフーショッピング ベストストアアワード2017」のその年1年での成長率などを勘案して選出した「Yahoo!ショッピング大賞」は「コジマYahoo!店」が受賞。総合グランプリは昨年に続き、「Joshin web」、その年に出店した店舗の中で優れた店舗を選ぶ「新人賞」の1位には昨年8月に出店したヤマダ電機の「ヤマダ電機Yahoo!店」が選ばれた。