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2020.06.11
三越伊勢丹 オンライン接客を強化、チャット相談やライブ動画接客、ECとアプリも刷新
三越伊勢丹は、コロナ禍で生活様式や働き方、消費行動が変化しているのに対応し、自宅にいながらオンラインで百貨店の接客が受けられるデジタルサービスを強化するほか、通販サイトとアプリの刷新に合わせてコンテンツや品ぞろえの拡充などにも着手する。これまで進めてきたオンラインとオフラインのシームレス化を加速するのに加え、「EC単体としての強化にも取り組む」(杉江俊彦社長)考えで、今期(2021年3月期)のEC売上高は当初計画の250億円に対して上方修正を目指す。
同社では、顧客が自宅にいながら販売スタッフとつながることができる1to1サービスとして、ビジネス版LINEの「LINEワークスによるチャット相談と、ウェブ会議ツール「Zoom(ズーム)」を活用したライブ動画接客を伊勢丹新宿店の販売員が対応する形でトライアルを始めた。
対象アイテムは伊勢丹新宿店のベビー・子供服雑貨カテゴリーからスタート。チャット相談を先行して実施し、ライブ動画接客も5月27日からランドセルでテストを始めた(画像(上))。
ズームによる動画接客は事前にLINEを通じて接客日時の予約や問い合わせ内容を送ってもらい、当日の動画接客は約40分を予定。相談料金は無料だ。販売員は新宿店に隣接する伊勢丹会館5階に設けた予約制のランドセル売り場で対応する。
同社は引き続き”おうちde伊勢丹”をテーマに、ベビー・子供服雑貨カテゴリーでオンライン接客を実施。すでにチャットでは、面接時の洋服選びといったお受験相談、出産祝いなどのギフト相談を始めているが、当該領域でもライブ動画接客を実施する予定だ。加えて、今夏をメドにオンライン接客の対象カテゴリーを婦人服や紳士服、リビング商材に広げていくことを検討している。
また、今期中には刷新した「三越伊勢丹アプリ」からもチャット相談を利用できる環境を整えるという。
EC掲載商品は今期15万型
ECチャネルでは主軸の通販サイトとアプリを大幅にリニューアルした。従来は三越と伊勢丹で分かれていた通販サイトの入り口をひとつにして「三越伊勢丹オンラインストア」を始動。店舗情報やキュレーション記事、ブランド情報、キャンペーン情報などを集約し、グループのポータルサイト的な位置づけとして6月9日から本格スタートした。
当該サイトは、伊勢丹新宿店の取り扱い商品をメインに約1000のブランドページを設けたほか、EC購入できる商品数は店頭で人気のアイテムを中心に約10万型をそろえた。昨年11月時点の約6万型から大きく増やしたものの、10万型ではまだ不十分なため、今期中には15万型の取り扱いを目指し、「売り上げの7割をカバーできる品ぞろえを目指す」(杉江社長)とする。
また、顧客がリアル店舗の来店前にオンライン上で少しでも多くの商品を検討できるように、実店舗だけで扱う商品の紹介ページをデジタルカタログとして発信。食品を軸に拡充していく。
キュレーション記事については、4月に編集チームを立ち上げており、同社の武器である接客力、目利き力を生かした記事コンテンツを展開する。
アプリについては、昨年2月にスタートした「三越伊勢丹アプリ」のデザインや機能面を刷新。とくに、アプリにもEC機能を追加して、気に入った商品をそのまま購入できるようにした(画像(下))。
アプリでは、オンライン上で最適なサイズを提案する婦人靴と紳士靴のレコメンドサービス「YourFIT365」(※初回は店舗で3D足型計測が必要)を含めた店頭のサービス予約のほか、実店舗のショップやイベントなどで使えるアプリ限定クーポンも利用できる。
なお、三越伊勢丹では実店舗での買い物がより安全に便利になるサービスとして、オンライン上での事前来店予約サービスを導入したほか、通販サイトで扱う一部商品はLINEでの問い合わせや取り置きも可能で、取り置きサービスの決済と受け取りは伊勢丹新宿店の取り置き店舗で行うことになる。