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2019.09.19
アマゾンの生鮮品EC 月会費なしプラン新設、「Amazonフレッシュ」で利用者伸び悩みに対応か
アマゾンジャパンは9月12日から、有料会員「Amazonプライム」向けに展開する生鮮品販売サービス「Amazonフレッシュ」のサービス料金体系を見直した。従来まで同サービスの利用を希望する有料会員から別途、月会費として税込500円と都度の配送料として同500円(1回の受注金額6000円以上は未徴収)を徴収していた料金プランを変更。都度の配送料として同390円を徴収(1回の受注金額1万円以上は未徴収)するものの、月会費を徴収しないプランと、これまで通り、同500円の月会費を徴収するものの都度の配送料を徴収しない2つの料金プランとした。プラン変更にあわせて従来まで設けていなかった1回の最低受注金額を4000円以上に設定した。
「Amazonフレッシュ」は日本では17年4月からのスタートから約2年半が経過したが、食品ECに詳しい関係筋によれば売り上げは苦戦している模様。配送エリアがいまだ東京、神奈川、千葉の一部にとどまっているなど展開エリアも起因しているとみられるが、伸び悩みの理由について、商品代金以外のサービスに対価を支払うことへの心理的なハードルが高く、まずは利用を促すために昨今では競合のネットスーパーサービスでも実施しているところが少ない月会費を、「Amazonフレッシュ」ではすでに年会費やまたは月会費を徴収している「Amazonプライム会員」からさらに500円を徴収し、その上で配送料も500円を徴収するという「強気のプラン設定がネックとなり、利用者が増えにくい状況を生んでいたのではないか」(食品EC関係筋)という見方もあり、月会費を徴収せず、また配送料も390円と競合のネットスーパーの配送料に近い水準まで引き下げた新料金プランの設定で利用のハードルを下げたい狙いがあるよう。新料金プランでまずは初回利用を促し、徐々に月会費を徴収する料金プランを「配送料無料プラン」と称し移行させ、利用増を促していきたい考えがあるようだ。また、これまでは設けてこなかった最低注文金額を4000円に設定することで、配送効率を高め、物流費圧縮につなげたい狙いがあるようだ。