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2019.05.20

【auコマース&ライフの八津川社長に聞く Wowma!の今後の戦略とは㊤】 「auユーザーの購入数が急増」、今年のテーマは“変化を進化に”

 タイムセールサイト「LUXA(ルクサ)」を手がけるルクサと、仮想モール「Wowma!(ワウマ)」を運営するKDDIコマースフォワードが合併する形で、4月1日に誕生したauコマース&ライフ(aCL)。親会社のKDDIでは、コード決済サービスに参入するとともに、「au ID」のKDDIユーザー以外への開放を予定しており、グループのポイントサービスである「ウォレットポイント」の利用先として、コマースを担うワウマの重要性はますます高まっている。八津川博史社長に今期の戦略を聞いた。

 ――2018年度のワウマを振り返って。

 「流通額は前年度比31%増、ユーザー数は48%増だった。両者の差は単価が下がったことによるものだが、実は通常のユーザーの単価はそこまで下がっていない。昨年6月にポイントプログラムの変更を行い、1回のセールで取得できるポイント数の上限を下げたことで、1人で多額の購入をするユーザーにとってのメリットが薄れた。商売としては健全に伸びていると思う」

 「また、出品数についてはワウマに名称を変更した2年前と比較すると44%増、出店数は3・3倍となっており、店舗数は約1万5000。以前は『商品がない』とか『有名店が出店していない』という声がユーザーから出ていたが、こうした部分はかなり解消できたのではないか」

 ――重視した施策は。

 「1つは管理ツールである『ワウマネージャー』の進化だ。1年間で40以上の新機能を追加できた。複数の仮想モールに出している出店者がほとんどだが、これまでは『ワウマは管理が面倒』『ワウマだけに手はかけられない』という声が多かった。こうした不満はほぼ解消できたのではないか」

 「ユーザー向けとしては、au利用者向け施策を強化した。auユーザー購入数は、前年度比80%増。特に直近は成長率が伸びている」

 「サービスレベルとしては、インフラ強化や、最大15倍というポイント増量施策の定常化、ログイン周りのチューニング、表示速度改善など細かい部分まで手を入れている。auユーザー向けに実施した、仮想モール利用者の顧客満足度調査においても、競合モールに負けない数字になってきた」

 ――ポイントキャンペーンの変更には効果があったのか。

 「auウォレットクレジットカードを保有し、ワウマを定期的に利用するユーザーは最大15倍となるため、キャンペーン定常化は成長速度を一段引き上げる効果があった。また、au利用者向け施策としては、auショップとの連携強化や、KDDIが無料会員制プログラム『auスター』会員に特典をプレゼントする『三太郎の日』とのタイアップ、さらにはワウマで買い物した金額の最大10%を、携帯電話の通信料金に還元するサービスも1月からスタートしている。通信料金引き下げは昨今の携帯電話業界の大きなテーマでもあり、新しいユーザーの開拓につながっている手応えがある」

 ――19年度の施策は。

 「総務省から通信料引き下げの指導があり、さらには楽天が携帯キャリアとして新規参入するということで、今年はかつてない変化の年になる。それに向けて、KDDIとしても『auは他キャリアでもIDを取得してサービスを利用できる』、つまりオープン化に踏み込む。さらにはコード決済サービスとして『auペイ』も始まったが、決済領域を拡大している。こうした動きを踏まえ、ワウマでは『変化を進化に』をテーマとして掲げる」

 「その上で2社を統合する形で新会社を立ち上げた。社名にも『au』を取り入れている。これまで通り『通信のau』なら、そう名乗る必要はなかった。auがオープンになることを前提に、コマースとライフスタイル・ライフデザインを担う会社となる」(つづく)

 

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