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2018.12.25

【通販各社の消費増税への対策は】 不確定要素多く戸惑いも、軽減税率・景気対策に懸念

 消費税の税率が10月に8%から10%に引き上がる。食品などは8%に据え置かれる軽減税率が導入されるなど、過去の消費増税時と異なる対応が求められているほか、政府の景気対策などで不確定要素も多く残っており、戸惑っている通販企業が少なくない。9カ月後に迫っている引き上げ時の前後でどのように対処するべきか、主要通販・通教企業の対応策を本社のアンケート結果を基に見る。
  
25%でシステム改修が未着手に

 初めに、税率が8%から10%へ引き上げられることにより価格表示の変更などに関してシステムの改修が必要となるが、その対応状況について聞いた(図1参照)。アンケートでは4割以上の回答企業が改修に向け動き出しているか、あるいは準備を進めている段階にある。

 既に進めていたり、準備に取りかかっていたりしている企業では「食品を8%、食品以外と送料を10%に計算できるシステムに変更する」(ピエトロ)、「年初より検証を含め行う」(銀座ステファニー化粧品)、「社内でプロジェクトを発足させ、軽減税率対策も含めた消費増税対応を進めている」(ファンケル)、「社内でチームを組み優先対応課題として認識」(メディプラス)という。また、5%から8%への変更時の経験から「改修は対応できると考える」(ブレーンコスモ)という企業もあり、多くの企業がスムーズに進めている。

 一方で検討中や未定というところも回答企業の4分の1程度と少なくない。「不確定要素が多く、まだ着手できないのが現状」(カタログハウス)や「まだ、どのような対応が必要なのかの要素が出そろっていないので待機の状態」(エー・ビー・シーメディアコム)とし、政府が増税に伴う景気対策の具体的な内容の詳細を求めている。

 システム改修のほかにもカタログの表記の差し替えなども必要になる。その対応についてはコストがかかるものの、大きな手間ではないとの意見があった。

 

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