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2018.07.27

三陽商会 今期業績を下方修正 ECと直営店が当初計画下回る――2018年12月期中間決算

 三陽商会(東京、岩田功社長)の2018年12月期第2四半期(中間)連結業績は、売上高が前年同期比8.2%減の292億6,600万円、営業損失が8億700万円、経常損失が7億3,800万円、純利益が30億600万円だった。成長戦略の1つとして注力しているECでの販売と直営店の売り上げが伸び悩んだ。2018年度の通期連結業績についても、売上高を同3.3%減の605億円、営業損失16億円へと下方修正した。

 

 2017年2月に発表した経営計画「Sanyo Innovation Plan 2017(SIP2017)」に基づき、新販路として大きな伸びを予想していたEコマース(25億9,400万円)は当初計画より6億円、直営店(33億7,200万円)は5億円の未達に終わった。繰越在庫を削減したことなどにより、売上総利益率は48.9%と4.2ポイント改善したが、一方で、1~2月のセール時で在庫不足による機会損失が生じた。また宣伝販促費を含めた販管費を抑制したことも売上減の要因となった。

 

 「トップライン(売上高)の回復が遅れた。今期の黒字化を約束していたが、これが我々の実力。不甲斐ない結果で申し訳ない」と岩田社長。上期の売り上げ不振の背景として、宣伝販促費の過剰な抑制のほか、自身が委員長を務める経営計画委員会における実行スピードの不足、マーケットニーズ対応型MDへの対応不足などをあげた。また、百貨店を主販路としてきたバーバリー後継ブランドの1つ「ブルーレーベル/ブラックレーベル・クレストブリッジ」が商業施設など新販路でのMDに対応しきれていないこと、好調を維持してきた「ラブレス」についても、マンネリ化による伸び悩みが生じていると指摘した。

 

 

岩田功社長

 下期は、ECと直営店での販売に引き続き力を入れるほか、「エポカ」をはじめとする堅調に売り上げを確保している既存ブランドのブランディング強化、きょう27日に発表した米「アポリス」との事業提携によるライフスタイル型事業の強化などを進める。通期の販管費は、当初計画より6億5,000円多い311億円となる予定。マーケティングに2億5,000万円、IT事業に1億円それぞれ投資する。「下期は、今のリアルな力にどれだけ上乗せできるかが重要。トップラインを成長させるには、ギアを入れ替えアクセスを強く踏み込むことが求められる」(岩田社長)とした。黒字化のめどについて聞かれると、「遅くとも来年までには(黒字化したい)」とこたえた。

 

■ECは横ばいの25億9,400万円

 EC・通販での販売は、前年同期比横ばいの25億9,400万円だったが、マークダウン時の売り逃しなどにより、当初計画(32億円)より約6億円下回った。下期は、今年4月に子会社化したECコンサルのルビーグループとの連携を強めブランド別ECサイトを順次立ち上げるほか、4月に立ち上げた自社オンラインメディア「SANYO Style MAGAZINE」による会員以外のユーザーの取り込み、自社オンラインストア「iStore」内で自社ブランド以外の商品を扱う「バイヤーズコレクション」の拡充などを図る。通期のEC売り上げ予想は、54億円と11億円下方修正したが、前年同期と比べて8%増加すると見込む。

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