NEWS

2017.08.10

経産省&JFW推進機構が支援 香港ファッションイベント「センターステージ」に日本ブランド9組が参加

「ドレスドアンドレスド」の北澤武志デザイナー

 香港貿易発展局が9月6~9日に香港コンベンション&エキシビションセンターで開催する国際ファッションイベント「センターステージ(CENTRESTAGE)」の概要が発表され、経済産業省と日本ファッションウィーク(JFW)推進機構の支援により、日本ブランド9組が参加することがわかった。経産省が中国でファッション関連のプロジェクトを行うのは、2012年の尖閣諸島問題以来。成熟した香港のファッションマーケットを通じ、規模が拡大する中国市場への販路開拓の可能性も探る。

 「センターステージ」は、アジアのデザイナーブランドに焦点を当てたトレードショー。参加ブランドによるブース出展をはじめ、セレブリティーを集めたガラパーティーやランウェイショーのほか、トレンドセミナーやトークセッションを実施。初日の開幕イベント「センターステージ・エリート」でショーを行う韓国の「ジュン ジー(Juun.J)」(ジュン・ジー)と、香港「フィックスステュディオス(Ffixxed Studious)」(フィオナ・ラウ&ケイン・ピケン)をはじめ、約200ブランドが参加。1万2,000人の来場を見込む。

 日本から参加する9組は、経済産業省・関東経済産業局クリエイティブ・コンテンツ産業室と、JFW推進機構、カルチャー・ジェネレーション・ジャパンが、日本の伝統工芸・技術の活用や発展を目的としてとりまとめたもので、ものづくりを強みとしたファクトリーブランドが中心となる。「ドレスドアンドレスド(DRESSEDUNDRESSED)」(北澤武志氏・佐藤絵美子デザイナー)や、昭和の流行生地・銘仙を「まとふ」(堀畑裕之・関口真希子デザイナー)がデザインする「STYLE*MEISEN(スタイル*メイセン)」がショーをするほか、内田染工場の「somezome」、特殊染色技法「オーロラ染め」を用いた「FUPPU」、日本の職人や機屋とのコラボレーションによるストールブランド「ucou」、武藤の織物ブランド「Muto」、祭りで着用する半纏やダボシャツなどを製作する京屋の洋服ブランド「kyo-ya」、「Chirimen Beauty」、石井精工によるライフスタイル商品「ALMA」が最新コレクションを披露する。

 また、最終日には、地元香港の若手クリエイターを発掘・育成する「香港ヤングデザイナーズコンテスト(YDC)」が行われ、レディスブランド「G.V.G.V.」デザイナーのマグ氏が審査員の1人として参加する。マグ氏は、「フィックスステュディオス」のデザイナーらとともに、セミナー「マスターズ・シェアリング・セッション」にも登壇する予定。

JFW推進機構の信田阿芸子国際ディレクター

 JFW推進機構の信田阿芸子国際ディレクターは、「日本のファッション市場に対する悲観的ムードもあるが、世界全体でみると、むしろ微増傾向が見られる。CFDによると、5~10年の間に1.5倍に飛躍する可能性もある。クリエイターや産地にとってはチャンスであり、海外への販路拡大は大命題」と指摘。「アジアの中でも、中国市場は引き続き伸びている。香港の景気を不安視する声もあるが、英語が通じる点や、バイヤーが日本のファッションに精通している点で、重要な市場。2012年の尖閣諸島問題以来、経産省が中国でファッション関連のプロジェクトを行っていなかったが、こうした香港の方々を通じ、中国マーケットと接点を持てる点は大きい。引き続き香港市場は開拓していきたい」とした。

 「STYLE*MEISEN」とともに、会期3日目にショーをする「ドレスドアンドレスド」の北澤武志デザイナーは、「とてもエキサイティングなチャレンジ。日本ブランドとしてのクリエーションをきちんと見せたい」と話した。

 「センターステージ」はこれまで、同局が運営する「香港ファッションウィーク」1月展と併催していたが、世界のトレードカレンダーに合わせ、単独開催を決定。クリエイティブ産業支援に力を入れる香港政府肝いりのイベントとして(本子政府は、2016/17年度から3カ年で5億HKドルをファッション産業に投資することを発表)、2016年9月の第1回展には、192ブランドが出展、71カ国・地域から8,300人が来場した。

 今回も、世界最大規模の時計のトレードショー「香港ウォッチ&クロック」との併催となる。また、同会場では、800ブランドが参加する時計の国際見本市「香港ウォッチ&クロックフェア」(9月4~9日)も同時開催され、相互集客にも力を入れる。

メールマガジン登録