「シャネル（CHANEL）」が、2025年4月29日にイタリア・コモ湖畔にある「ヴィラ・デステ」で2025クルーズコレクションを発表した。「ヴィラ・デステ」は、セレブリティやアーティストが訪れる“隠れ家”ともいえる名門ホテル。湖畔の優雅な空気と、洗練されたリゾートのムードを纏ったルックが揃った。

　コレクションは、「ホテルでの休日」というリラックスしたテーマから着想。ピーチやピンク、ブルーといった柔らかなパステルカラーが、ツイードスーツに至るまで幅広く使用された。ヴィラのオーカーや黄色、オレンジは陽光に映える。レースには、マグノリアやカメリアなど、庭園に咲く花々からのインスピレーションを得た模様が見られる。細部に至るまで、自然と建築が融合するヴィラ・デステの空気感を写し取った。

　クルーズらしいリゾート要素をまとったアイテムが前半の主役。白のストレートパンツやストロベリーアイスカラーのピーコート、カラーやストライプを効かせたニットやジャージー素材のセットアップ、ポロシャツなどが登場。日常と非日常が交錯する、ラグジュアリーなリラックスムードを漂わせた。

　また、今季はダンスからのインスピレーションも随所に取り入れられている。ゴールドのルレックス（ラメ糸）やスパンコールを贅沢に使用したイブニングパジャマやパンツスーツが、夜のリゾートにふさわしい華やかさを演出。光を受けて輝く素材使いが、動きとともにドラマティックな表情を見せた。

　アクセサリーがリュクスなリゾートムードを盛り上げる。コスチュームパールのネックレスやミノディエール（小型バッグ）、大ぶりのプールサイドバッグに加え、ハリウッド映画のスターを思わせるロンググローブやブラックサングラスが、シネマティックな要素を添えた。さらに、髪や手首、足首に結ばれたシルクスカーフも印象的で、さりげない遊び心とエレガンスが共存する。

　リラックスした時間や美しい夏の夜をイメージさせるルックも登場。軽やかなケープがアクセントになっている、タフタのブラック・ショート・ビスチェ・ドレス、ボリュームのある袖と、ビーズやラインストーンで刺繍されたブレード（縁取り）があしらわれたアイボリーのブラウスは、タフタの白いイブニングパンツと合わせた。タフタのロング・イブニング・ドレスとアイボリーのスーツも印象的だ。

　ショーのフィナーレでは、全身ホワイトのルックを先頭にモデルたちがウォーキング。陽光が差し込む中、「シャネル」のコードを軽やかに、そしてグラマラスに再解釈したコレクションが締めくくられた。ノンシャランなムードの中にも芯の通った美学が宿る、メゾンらしいクルーズコレクションとなった。

来場セレブリティ

　会場にはメゾンのアンバサダーであり女優のキーラ・ナイトレイ、マーガレット・クアリー、小松菜奈さん、映画監督のソフィア・コッポラをはじめとするセレブリティが来場した。

Courtesy of CHANEL　（敬称略）

■「シャネル」公式サイト

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