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2024.05.31
「ヒロココシノ コレクション」2024秋冬ショーを開催 オートクチュールに近いレベルの高いプレタポルテを目指す
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写真:モデルとして登場した女優の黒谷友香さん
「ヒロココシノコレクション(HIROKO KOSHINO Collection)」が、2024年5月30日に2024秋冬コレクションを東京・渋谷のWITH HARAJUKU HALLで発表した。デザイナー、コシノヒロコの原点であるオートクチュールと、「ヒロココシノ」ブランドの柱であるプレタポルテを一本化し、「ヒロココシノコレクション」として発表した今回。来年公開される映画「ゴッドマザー~コシノアヤコの生涯」でコシノヒロコ役を演じる女優の黒谷友香さんもゲストモデルとして登場した。
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中央に巨大な額のようなフレームやアーチが設置された会場。チェロの音が響く中、ショーはグレーのニットからスタートした。直線的なボレロとスウェットを思わせるトップスとパンツなど、エレガントとリラックスが共存したスタイル。履いているのはスタッズの付いたスニーカーだ。
ジャケットやコート、パンツにはドレスのような美しいドレープが流れ、テーラードとドレス、マニッシュとフェミニンの要素が共存。折り紙のようなムードのディテールをプラスしたシャツ、クラシックなジャケットとパンツ、着物の帯のようなベルトのコーディネートなど、日本的な要素もプラスしている。さらに、ニットはプリーツのように弾み、スカートの千鳥格子はグラデーションによって次第に黒に変わっていく。
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中盤には、クラシックなドレスやジャケット、パンツにファスナーのようなプリントをプラスしたトロンプルイユ(だまし絵)など、シュールレアリスムを感じさせるデザインも登場した。パリのオートクチュールメゾンを思い出させるパールやラグジュアリーなジャケット、コートなども、どこかアンバランス。繰り返し登場するニットなどもクラシックなコートのようなデザインなど形を変える不思議なムードを醸し出す。ヒールを無くしたような靴もアンバランスを強調。青のコクーンシルエットは無重力のよう。また、前衛的な要素やアートのような自由さを加えながら、軽く、まるでTシャツのように快適そうに見えるのはコシノヒロコならではと言えそうだ。
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後半には、コシノヒロコらしい、絵画やアート作品を服にしたようなデザインが登場。コラージュや絵画をプリントしたようなデザインなど、アートと着物や布団が一体になったようなデザインは銀座のギャラリーで展覧会をしていた頃を思い出させた。チェロによる葬送曲が流れる中、巨大な額のようなフレームやアーチの横を進み、前後に並ぶ様子は、ファッションデザイナーであり画家・アーティストでもあるコシノヒロコがファッションとアートの境界線をなくそうとする姿勢を象徴しているように見えた。
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仕立て服やクチュールのようなものづくりと、絵画やアート作品のような自由なクリエーションという原点に返りながら、快適で、様々なシーンにも対応したコレクション。コシノヒロコは「オートクチュールとプレタポルテを一緒にしたというより、オートクチュールに近い非常にレベルの高いプレタポルテを作ることを目指しました。今日はそのスタートとなるコレクションです」とコメント。また、黒谷さんは「大変貴重な体験をさせていただきました。これから映画の撮影に入るのですが、この経験を役に生かせればと思っています」と話した。
取材・文:樋口真一
Courtesy of HIROKO KOSHINO