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2024.02.14

「ユハ」設立10周年を記念しアニバーサリーショーを開催 1967年の伝説のショーをオマージュし多様性を問う

 武長遼デザイナーのブランド「ユハ(juha)」は2024年2月13日にブランド設立10周年を記念し東京都台東区の東京国立博物館表慶館で2024秋冬コレクションショーを開催した。同ショーは、日本のファッションイラストレーターの先駆者である長沢節が手がけた1967年のショー「モノ・セックス・モード・ショー」をオマージュしたものだという。
 
 これまで名だたるビッグメゾンがショーを行った表慶館。エントランス近くのホールには白いマントと布で顔を隠した人々が円陣のように立つ。多くのゲストを迎え入れた後、彼らの合唱とともにショーがスタートした。

 最初のルックは、ダメージを加えたデニムジャケットとパンツに黒いマントをまとい、ダークなムードが広がる。その後は加工感のあるデニムやレザーなどのハードな要素と、美しいシルエットのロングコートや光沢素材を織り込んだトップス、アウター、パンツ、レースのスカートなどのエレガンス要素が交差し、対比するショー進行となった。特にモデルの肌の露出が高く、女性モデルがつけたファーのブラトップや男性モデルの腰に張り付いたレザーのショートパンツなど、エロティックな要素も見受けられた。

 コレクション発表後、武長デザイナーは「50年以上も前なら、警察が飛んできた“モノ・セックス・モード・ショー”。性差を超えて、服を纏うことは、いま我々の目にどう映るか。過去の非常識を、この先の常識に」というメッセージをプレスリリースとして配布した。多様性やジェンダーフリーといった言葉が消費されていると感じているようだ。今回のショーで、彼は我々にその意味を問いたかったのだろうか。

 

取材・文:山中健

 

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