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2024.02.06
「チノ」が2024秋冬コレクションを発表 内に秘めた力強さ、優しい強さを表現
茅野誉之がデザインする「チノ(CINOH)」は2024年2月2日、東京・新宿の淀橋教会でウィメンズとメンズの2024秋冬コレクションをランウェイ形式で発表した。
“Gentle Glimmer(ジェントル グリマー)”をテーマに、ミニマルと装飾性という相反するものを取り入れた今回。オーセンティックな作りの応用で装飾性を創り出すことに挑戦した。
ショーはミリタリーテイストのジャケットとパンツ、ゆったりとした分量の中にドレープ性を表現したようなオーバーサイズのパンツスーツ、美しい布の動きが生み出すドレープが目を引くジャケットなどからスタート。今シーズンのテーマを象徴するようなデザインだ。
マニッシュなコートに付けられたフリンジなど、フリンジも数多く登場したが、通常のフリンジのように、後から付けるのではなく、縫い代をすべて外に出し、ほつれさせたり、カットしたりし作られたものだという。
また、ドレープを使ったエレガントでマスキュリンなスタイルも今シーズンのポイント。スパンコールなどで光をプラスしたニット、ファスナーをアクセントにしたパンツ。ボーイフレンドシャツやミリタリーテイストのジャケットにはファーのようなロングスカートなどを組み合わせる。
オーロラを描いたように見えるドレスやフリンジドレスなども、ミニマルと装飾性を共存させることで、女性を美しく見せるリアルなバランスに仕上げられた。
アフターコロナのニュールックとでも呼べそうなクチュール的な美しさや装飾的なドレスと、トレンドの「クワイエット・ラグジュアリー」をチノらしく共存させたようにも見えたコレクション。付け足すのではなく、そぎ落とすことで、間の中に装飾や美しさを創り出す考えや表現は日本的でもある。
茅野は「内に秘めた力強さ、優しい強さを表現した。素材もがんばってつぎ足すことはせず、ひと手間入れることで派手さを出すなど、シンプルイコールミニマルではなく、どうやってそぎ落として派手に見せるかを考えた。個人的にはシンプルとは言われたくなくて。ミニマルはもともとジル・サンダーが言われていたが、今シーズンというのではなく、ミニマルをしたいなということがキーワードとしてあった」と話した。
取材・文:樋口真一
Courtesy of CINOH