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2018.05.08

カスタムシャツのオリジナル社「ボディグラム」最新版を発表 スマホで簡単に身体採寸

 オンラインカスタムシャツブランド「オリジナルスティッチ(Original Stitch)」を運営するオリジナル社(米サンフランシスコ、ジン・コーCEO)は8日、身体採寸ツール「ボディグラム(Bodygram)」の最新版を発表した。

 「ボディグラム」は、スマートフォンで身体を撮影すると、プロのテイラーのような精度で身体を採寸・測定ができるというツール。初期版(2017年8月に日本国内でサービス開始)は、ユーザーが好みのシャツをA4サイズの紙とともに撮影し、「オリジナルスティッチ」のウェブサイト上にアップロードすると、A4サイズの紙の大きさと比較しながらシャツの正確なサイズデータを読み取り、そのシャツと同じサイズ・シルエットを再現するものだった。5月8日に出した最新版は、自動的に指定された対象物を認識する高機能マシンビジョンは踏襲しつつ、より精度の高いコンピュータアルゴリズムを採用。ユーザーの身体を撮影することによって、ベストフィットするアイテムを提供するというものだ。

 正面と横向きの写真をそれぞれ撮影しアップロード。コンピュータービジョンが身体のシルエットを認識し、首周りや肩幅、胴囲などの測定場所を読み取り、サイズを測定する。どのような背景であっても身体を検出できるのも特徴。また従来、背中が丸まっている、肩の位置がずれている、直立できていない、といった状態では正確な採寸はできないが、「ボディグラム」はこうした状態での採寸の許容度も向上させた。

 テイラーの熟練した技術や測定テープなどの特別な器具を必要とせず、スマートフォンのアプリで撮影するだけで、ユーザー自身が身体を採寸できるのが強み。「従来身体を採寸するには、テイラーによるプロの技術、あるいは特殊な服を着て3Dスキャナーを使う必要があった。いずれも敷居が高かったり、膨大な費用がかかるもの。多くの人が持っているスマートフォンを使える点が大きい」(コーCEO)と話す。

 今夏の正式リリースを予定しており、アパレルブランドや小売り店での利用も視野に入れている。「S、M、Lといったサイズはブランドによっても地域によっても定義が異なる。特にアパレルECを利用するにあたって、身体のサイズを把握することは、売り手にとっても買い手にとっても重要。「ボディグラム」があれば身体のサイズが簡単にわかるため、商品の返品率低下にもつながる。また、アパレルブランドなどに提供すれば、お客に合うサイズをプロアクティブに提案することにもつながる。全世界で所有者が20億台といわれるスマートフォンで利用できるサービスであることに、大きなポテンシャルがあると感じている」(コーCEO)。現在、米国の特許商標庁に実用特許を出願中だ。

   同社は、2日にユーザーに似合う色・アイテムを提案するAIアプリ「スタイルボット(Stylebot)」の最新版を発表。ともに、ユーザーが手持ちのスマートフォンで簡単に利用できるサービスであることが強みだ。

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