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2023.08.26
「ティート トウキョウ」2024春夏コレクション 映画「ノマドランド」にインスパイア
岩田翔と滝澤裕史による「ティート トウキョウ(tiit tokyo)」が2023年8月24日、東京・江東区の新豊洲Brilliaランニングスタジアムで2024春夏コレクションを発表した。
開拓者からつながるアメリカの伝統的な「ホーボー文化」を受け継ぎ、家がなく車で寝泊まりしながら各地で日雇い労働を続けながら旅する人々を描いた映画「ノマドランド」にインスパイアされた今シーズン。作中に登場するアメリカ合衆国の雄大で時には厳しい自然の美しい描写や、自然の中で強く生き抜き、 自由の精神を持ち続けようとする主人公ファーンの生き様をブランドの世界観に投影したコレクションを見せた。
6レーンからなる青い全天候型60m陸上競技トラックで知られる新豊洲Brilliaランニングスタジアム。”NOSTALGIA”をテーマにした今回。会場は秋や冬の森や公園のように落ち葉で埋め尽くされていた。落ち葉を踏みながら進むモデルたち。コレクションは、レースアップやフリンジをアクセントにしたチェックのミニドレスからスタート。同ブランドらしい、へそがちらっと見える細身のニットのトップスとスカート、フリンジが印象的なウエスタンシャツと裾から長いフリンジが続く同素材のミニスカートなどへと続く。
そして、力強い自然を思わせる柄をつなぎ合わせたワンピース、胸の部分をブラトップのようにしたヌードカラーのシャツドレスとショートパンツ、ヌードカラーのブルゾンとデニム。「ティート トウキョウ」がここ数シーズン続けている女性の肌や体を美しく見せるデザインをベースに、1960年代や1970年代を思わせるノスタルジックなデザインやアメリカのクラシックをプラスしていく。パラシュートクロスのトップスと大きなバッグをアクセントにしたミリタリーテーストのボトムス、大きな袖のブラウスと幾何学的なニットとワイドパンツもノスタルジックやカントリームードをモダンに仕上げている。
たくさんの馬を描いたロングドレスや裾から下をフリンジ状にした花柄のミニドレス、そして、馬のモチーフを描いたクラシックムードのシャツとフリンジをプラスしたヘリンボーンのジャケットやボタニカルな花柄ミニスカート。ノスタルジックなドットを使ったオールインワンも太ももの部分にスリットを加え、ストリートで見かけるデニムのにように美しい足を見せる。たくさんの小さな馬をプリントしたドレスにはレースアップをプラスしている。また、同ブランドでは初となるチョーカーやブレスレット、ピアスなどのアクセサリーやバッグなども登場した。。
コンセプトであるコンテンポラリーなデザインと素材使いで肌を美しく見せるスキンコンシャスウェアを守りながら、アメリカの自由なカルチャーから生まれたファッションやヒッピー、フラワームーブメントなどの流れ、ウエスタンシャツ、ジーンズなど、アメリカナイズされたアイテムなども取り入れたコレクションを見せた「ティート トウキョウ」。
デザイナーは「映画の中のドライタッチな世界観や強い女性の心をコレクションに落とし込めたら美しいものになると思った。また、何シーズンか前から、個々の個性で美しいファッションを作るとか、肌をきれいに見せるというコンセプトを立ててやってきたので、映画の中で各々が自分の理想を掲げて生きていく人々の物語が美しく見え、その世界観を投影したコレクションにしたいと思った」と話した。
取材・文:樋口真一