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2018.05.02

他企業への提供も視野に 似合う商品を自動診断するAIアプリ「スタイルボット」をバージョンアップ カスタムシャツの米オリジナル社

 オリジナル社(米サンフランシスコ、ジン・コーCEO)は5月2日、同社のオンラインカスタムシャツブランド「オリジナルスティッチ(Original Stitch)」で、AIアプリ「スタイルボット(Stylebot)」のアップデート版を発表した。パーソナライズ化されたサービスへのニーズ拡大を受け、今後は、ほかのファッション系企業へのサービス提供も計画する。

 「スタイルボット」は、顔と手首の裏側を撮影し、2枚の写真をアップロードすると、そのユーザーに似合うシャツを自動的に選び出すスマートフォンアプリ。写真をアップロードすると、性別や人種、年齢、肌のトーン、メガネの有無、髪型、鼻の形など全10項目をAIが瞬時に認識。スタイリストが実際に採用しているスタイル理論やカラー理論にもとづき、被写体に合う色や、「オリジナルスティッチ」のアイテム約8,000点の中から似合うシャツの種類を選び出す。実際にそのシャツが買える商品ページへのリンクも表示し、購買機会の創出も促している。

日本でジェネラル・マネージャーを務める上垣賢司氏がモデルに試してみた。上垣氏の肌の色や髪の色などを考慮し、パステル系のシャツを中心にリコメンドした。

 昨年11月に発表した同サービスをアップデートしたもので、今回のアップデートで、より正確なスタイルレポート(認識結果)を提供するため、膨大な数のトラフィックとより高精度な顔検出技術を処理できる安定した基盤やサーバ環境を採用した。SNS上でそのレポートを共有できるソーシャル共有機能も追加したことで、友人や家族がそのユーザーに似合うアイテムをギフトとして贈ることも可能にした。

 「オリジナルスティッチ」は、シリコンバレーで働くエンジニアの「服を買いに行くのが面倒くさい」という声をきっかけに生み出したオンラインサービス。2013年12月にテストサービスを行い、翌年4月に日本版をスタートした。生地の種類、袖や襟、ボタン、プリーツのデザインなど10億通りのパターンの中から好みのシャツをカスタマイズすることができる。日本国内の工場で職人の手で仕立てた高品質なシャツを4,980円から提供できることも魅力で、現在会員数は40万5,000人(うち日本会員は15万人)。売り上げも前年比250%の伸びを見せるなど、セールスも好調だ。

 バージョンアップしたことによって、さらにサービスの拡充を目指す」とコーCEO。「将来的には、ファッション企業とのパートナーシップを結ぶことも視野に入れている。膨大な商品点数を抱えるファストファッションブランドで導入したり、百貨店の販売スタッフが接客の際などに活用できるだろう」とコメントしている。

オリジナルスティッチ 公式サイト
「スタイルボット」(iOS版のみ)

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