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2023.06.11

「バルムング」パリの展示会に先駆けて2024春夏メンズウェアのインスタレーションショーを開催「新宿」 にフォーカス  

 「バルムング(BALMUNG)」が東京・新宿の「WHITE HOUSE」で2024春夏メンズウェアのインスタレーションショーを開催した。今月行われるパリメンズファッションウィーク期間中の展示会に参加するのに先駆けて、国内で2024春夏メンズコレクションを発表したもの。原宿など、都市と呼応する装いを解釈し観察し、独自に表現してきたバルムング。これまでテーマとしてきた 「都市」 や 「GREY」 といったキーワードをもとに、「新宿」 にフォーカスし、歌舞伎町周辺の若年層のカルチャーやムードにインスパイアされたコレクションを見せた。

 

 会場に選んだのは、60年代に建築家・磯崎新氏によって建てられ、Chim↑Pomのアトリエであったこともあるアートギャラリー。新宿と新大久保のけん騒とは対照的な雰囲気の百人町にある閑静な空間。登場したのは壁の落書きのようなグラフィティが印象的なオーバーサイズのスウェットとキャップ、チュールなど異素材を組み合わせたMA-1やコート、ニットやジャケットとパンツ。グラフィカルなフーディとパンツ。少年のようなモデルたちは薄暗い、部屋の中央に作られた、工事現場の足場のようなステージの周りを歩き、足場の階段を上っていく

 異素材やポケットなどのディテールのドッキング、アブストラクトな組み合わせなどで、ベーシックアイテムが不思議なムードを生み出す。変わる新宿の街を象徴するような足場とともに、暗闇から一転、ハイスピードで点滅するライトはフラッシュバックのようで、過去と未来、服と建築の間で交差するデザインを強調しているようにも見える。
 
 メンズのベーシックアイテムを使いながら、異なる要素を組み合わせ、1960年代の建築や抽象画のような要素もプラスし再構築したようなコレクション。日本の強みを活かすということか。どこか、未来を描いた、1960年代の漫画のような少し不思議なムードや近未来の新宿を舞台にしたアニメのような雰囲気も感じられた。

 「もともとカジュアルなアイテムをよく発表していたし、女の子がお人形遊びをしているというより、男の子がプラモデルで遊ぶような感覚があった」というデザイナーのHachi。メンズに絞った理由を「ビジネス戦略的には日本のお客様と市場が創る日本のレディースは特殊だと思っていたし、メンズブランドの方が世界で活躍している例が多いことやデリバリーなどからもメンズで(世界やパリに)トライしていこうと思った。日本ではメンズ、レディースどちらも言えるが、ワンピースとスカート、ドレスではなく、スカートとジャケットのトップスとボトムスなど、世界的なコードで見るとメンズのコードかなと思っている」と説明。

 
 また、パリの展示会に先駆けて東京でインスタレーションショーを行ったことについては「インパクトがあり、わかりやすく、すぐに伝わるようにしました。パリでは展示会にチャレンジします。ショーはまだ」などと話 した。

 

取材・文・画像:樋口真一

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