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2023.06.08

「アルマーニ グループ」英国王チャールズ 3 世が以前立ち上げた組織とサステナブルなコットン生産共同プロジェクトを発足

写真:「プーリア・リジェネラティブ・コットン・プロジェクト」の農地 Photo by Pasquale Campi

 
 「アルマーニ グループ(The Armani Group)」は、2023年6 月 5 日 の 環境の日に際し、現イギリス国王のチャールズ 3 世が皇太子時代に設立したサステナブル・マーケット・イニシアチブのファッション・タスクフォースとサーキュラー・バイオエコノミー・アライアンスの 2組織と共同で新プロジェクト「プーリア・リジェネラティブ・コットン・プロジェクト」を立ち上げたことを発表した。以前から「アルマーニ グループ」はサステナブルで責任ある開発を自社の価値観や事業戦略に取り込んで、「人・地球・繁栄」の3 つの柱に基づいて打ち出したサステナビリティ戦略を打ち出しており、またESG ポリシーに従い、自社およびバリューチェーン全体の具体的な目標を定めている。
 
 
 
 このプロジェクトの目標は、イタリアにおいてサステナブルなコットン生産を行っていくための新たな方法を試み、科学的に評価するために、世界で初めてアグロフォレストリー(森を管理しながら、そのあいだの土地で農作物を栽培したり、家畜を飼ったりすることを指し、森を伐採しない農業形態)による実験的なリジェネラティブ(環境再生型)・コットン栽培地を開発すること。温暖で多様な農作物を栽培するのに最適なイタリアのプーリア州にて、12 世紀にまで遡る長い伝統を持つコットン栽培を復活させる試みで、5 月から 1 ヘクタールの土地での最初のコットン栽培をスタートし、2024年には栽培面積を 5 ヘクタールまで拡大する予定だ。またこの農場では、5 年をかけて代替樹種とリジェネラティブ農法を用いたアグロフォレストリー・コットンの欧州初となるフィールド実験が行われる予定で、定期的な科学的レポートにて、収穫されたコットンの特性を評価し、それぞれの区画の環境負荷と生産レベルを公表する。
 
 
 このアグロフォレストリー・システムの活用により低カーボンフットプリントでコットンを生産しながら、景観の多様性、節水と土壌の肥沃化、生物多様性を向上させる方法を実証し、世界的に高まるサステナブル・ファッションへの消費者需要に応えつつ、同時に、追跡可能で代替可能なバリューチェーンと資源の安全性を確保することを目的としている。
 
 
 「ファッションは、素材からすべてが始まり、私のデザインはすべて、生地選びからスタートします。そして、実験的に新たなファブリックを使うことで、私はファッションに革命を起こしてきました。しかし、テキスタイル産業は地球への影響が最も大きい分野の一つであるという事実は決して軽視できない問題です。サステナブル・マーケット・イニシアチブとの私たちのコミットメントは、より良い変化を促進することであり、この大胆かつ革新的なプロジェクトは、私や私の会社にとってとりわけ意義深いものです」とジョルジオ・アルマーニは語る。
 
文:田中美貴
 
■「アルマーニ」公式サイト

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