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2023.03.12
「ティート トウキョウ」2023秋冬コレクション 狂気的でもある美しさをブランドの世界観に投影
「ティート トウキョウ(tiit tokyo)」は2023年3月9日、東京都新宿区の淀橋教会で2023秋冬コレクションを発表した。ドラマにもなった小説「クイーンズ・ギャンビット」の 主人公ベス・ハーモンにインスパイアされた今回。チェスの天才少女である彼女の狂気的でもある美しさをブランドの世界観に投影し 、スキンコンシャスなデザインに落とし込んだ。
芸能人、モデル、インフルエンサーなど、最前列に並ぶ日本やアジアのセレブリティ。声をかけ撮影するカメラマンたち。海外のコレクションでも見るような風景が繰り返された。その後、スタートしたコレクションに登場したのは、透明感のあるスキンカラーやヌードカラーのトップスと光を加えたミニスカート、体の線を美しく出したニットジャケットにミニスカートなど、前回のコレクションを思い出させるデザイン。ボディコンシャス、ヌーディティ、ヌードカラーなどの言葉がぴったりの色やデザインが続く。
チェックのジャケットとミニのプリーツスカート、ワッペンが付いたニットジャケットなど、肌を美しく見せるデザインや色とトラディショナルや制服を思わせるデザインのミックス。そして、春夏のような軽く、透ける素材とアイテム。ボリュームのあるコートもスキンカラーやベージュを使い、ボディコンシャスなアイテムやミニを組み合わせる。凹凸など変化のある凝った素材を使ったトップスなども、背中などを見せミニスカートなどとコーディネート。肌をのぞかせる。
コレクション最前列のセレブリティが着る前回のコレクションを継続しながら、更に進化させ、強さをプラスしたようなデザインだ。デザイナーの好きな世界観や女性像を表現しながら、デザインの原点である女性を美しく見せるということに戻り、同時にSNSがリードし、インフルエンサーがコレクションやイベントの最前列に並び、自分が主役という今、求められることや時代の変化に答えたような、バランスのいいコレクション。
デザイナーは「均質化される中で人間っぽい強さ、ある意味で、猟奇的で生々しいものがいいなと思った。見ている人が心躍るもの。難しく考えず、単純に心躍るもの。モードの文脈と東京は違う。そこを目指すのはフェイクかなと思った。自分のブランドを着たお客様や今日見に来てくれた人がいいなと思うような、新しい提案みたいなものができたらと思っている」と話した。
取材・画像・文:樋口真一