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2023.02.24

「グッチ」が「ケリング」のサポートによりイタリア初の「サーキュラーハブ」を創設 「循環型メイド・イン・イタリー」の推進を目指す

 「グッチ(GUCCI)」が、フランス・パリを本拠地とするグローバル・ラグジュアリー・グループ「ケリング(KERING)」のサポートのもと、主に4つの分野にフォーカスしたイノベーションシステム「サーキュラーハブ(Circular Hub)」を創設すると発表した。イタリア・トスカーナ州に位置する同ハブは2023年前半のスタートを予定しており、イタリア初のラグジュアリーファッションにおける循環型製造の拠点として、最終的には「ケリング」傘下の全ブランドにおける循環型製造モデルへの転換を目指していく。

 

 今回、「グッチ」が注力する各分野はそれぞれ、製品のリサイクル性や原材料使用の最適化を主目的とする「研究開発」、余剰素材のロジスティクス効率の向上を目指す「ロジスティクス」、技術的ソリューションとインフラストラクチャーの考案・設計・実行を行う「業界とのパートナーシップ」、そして、オープンイノベーションという考えに基づき、回収・リサイクル・再利用といったプロセスと関連する特許・技術・ノウハウを他企業に提供する「価値観の共有」の4つ。

 これらに加えて「グッチ」は、ラグジュアリーファッションの世界と循環型エコノミーの双方に立脚する独自のポジショニングを活かし、スケールメリットとパーパスエコノミーの両面から、イタリアの製造業と原材料サプライチェーンの循環的影響を最小限に抑えることに貢献する「循環型メイド・イン・イタリー」の開発も促進していくとしている。なお、「サーキュラーハブ」におけるこうしたイニシアチブは、イタリアのPNRR(再興・回復のための国家計画)および2030年までの廃棄物の削減や再利用目標を掲げたEUの循環型経済戦略とも合致したものだ。

 同活動について、「ケリング」のチーフ・サステナビリティ・オフィサー兼渉外担当責任者であるマリー・クレール・ダヴーは次のようにコメントした。「ファッション業界は、製品製造と資源の利用方法を根本から見直す必要があり、それらを革新するための行動を本格的に加速させる必要があります。グッチとともにサーキュラーハブをスタートすることは、グループで信念を共有しているという証だけでなく、その意欲的な活動や実績を示していくことによって、将来、より多くのブランドやサプライヤーが積極的に参加するための道を築くことになるでしょう」。

 一方、「グッチ」のコーポレートアフェアーズ&サステナビリティ・EVPゼネラルカウンセルであるアントネッラ・セントラは次のように語った。「循環性は原材料から始まるすべての製造サイクルを含むビジョンを推し進めるものであり、メイド・イン・イタリーをより強固で競争力の高いものにするための大きな挑戦であり機会となります。同じ目標と資源を共有し、ノウハウを蓄積して相乗効果を高めていくことで、このハブはすべてのラグジュアリー業界のサプライチェーン、特にイタリアの産業の中核である中小企業が、その革新的スピリットと世界に誇る独自のノウハウを積極的に発揮できる場となるでしょう」。

 

 現時点で「サーキュラーハブ」には、イタリアの原材料サプライヤーや製品ファクトリーなど、700以上のダイレクトサプライヤーと3,500以上のサプライヤーで構成される「グッチ」の生産拠点を皮切りに、「ケリング」のサプライチェーンの参加が予定されている。また今後は、多業種とのパートナーシップによるサポートやピサ大学とのコラボレーションによる科学的な研究を取り入れ、産業調査やオペレーション、ロジスティックモデルにおける循環型ソリューションを見出すことにも重点を置くとしている。

 

■問い合わせ先
グッチ ジャパン クライアントサービス
Tel:0120-99-2177

 

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