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2022.11.30
「ジェニーファックス」2023春夏コレクション 日本のカワイイにロリータ、ゴシック、アバンギャルド、パンク、アンファンテリブルをミックス
シュェ ジェンファンがデザインする「ジェニーファックス(JennyFax)」は2022年11月29日、東京・青山のスパイラルホールで2023春夏ランウェイショーを開催した。
鏡の代わりに光ディスクに映る自分の姿を見ながら髪をとかす人形の写真がインビテーションになった今シーズン。登場したのは相反する要素を組み合わせたデザインや対照的なデザインやアイテムの組み合わせ。
どこか制服のようなムードも漂う、ゆったりしたジャケットには、かわいい白襟と大きなポケットを付け、パンツと組み合わせる。ベーシックなはずのマニッシュなブルゾンは、おなかの部分を立体的に膨らませ、ゆがみ、変形させることでアバンギャルドに生まれ変わる。
ロリータスタイルやボリュームトップとミニスカートには、黒の衝撃と呼ばれたモードジャポネやパンクをほうふつさせるボロボロになったデザインやアイテムをプラスした。ウサギのキャラクターなどのプリントやフリルなどを使ったロマンチックなアイテムにも、穴をあけたようなデザインのアイテムを重ねている。
また、ランジェリー風のアイテムにギャザーや「しわ」などを加えたデザインや、ランジェリーの上に、間違えてショーツを重ねて着てしまったように見えるスタイルなども登場。日本のカワイイとロリータやゴシック、アバンギャルドとパンク、更にアンファンテリブル(恐るべき子供)という言葉を思い出させる組み合わせが混在しながら、モデルたちはストリートを歩くように、東洋的な花を描いたじゅうたんの上を進んでいく。
アニメやアイドルの衣装、ロリータ、学生服などを思わせるデザインやショーツを見せるスタイリングは、シュェ ジェンファンが「ジェニーファックス」として初の単独コレクションを発表した2012春夏コレクションから続いているもの。今シーズンは、まるで鏡の中にいる左右反対に映る自分の姿を楽しみ、着せ替えていくように、同ブランドの原点ともいえるスタイルとアバンギャルドやパンクなど、相反する要素をミックスすることで変化を出していた。
取材・撮影・文:樋口真一