「ヴァレンティノ（VALENTINO）」はブランドを進化させる新しいストアコンセプトを発表し、今後は新たなストアデザインに移行する。新たなコンセプトは、人が中心のアプローチを取り入れることによって、よりパーソナルなリテールサービスを実現するというもので、これはブランドとクライアントの関係を見直し、イタリアのホスピタリティにインスパイアされたストアエクスペリエンスを提供する店舗設計に繋がっている。
 
 
　新たなストアコンセプトにおいては、店舗は人と人とのつながりを大切にするパーソナルな空間に仕上げられており、プレタポルテコレクションやアクセサリーは、意外なデザインディテールを用いた控えめな構成でディスプレイ。プライベートアポイント用には、よりパーソナルな感覚の特別なエリアが設けられている。

　1930年代のアールデコモチーフと 1970 年代の大胆な美学を思わせるインテリアは、ローマ建築からインスピレーションを得たエクレクティックな素材のパレットとディテールで構成されるコンテンポラリーなデザインだ。店内はクチュールの世界の象徴であるトルソーに敬意を表する色調で、ボッティチーノマーブルやサハラノワールマーブルを使用しアイコニックなジオメトリックモチーフを描いたフロアや、セラミックで覆われたファサード、オニキスとウッドのエレメントが使われ、温かみとエレガンス、控えめなラグジュアリーを演出する。
 
　マッシミリアーノ・ピポロによる、機能性とデザイン性を兼ね備えた有機的なシェイプのハンドメイドのセラミックドアハンドル、ファビオ・サンティによる真鍮製のジオメトリックな構成のオブジェ、アレクサンドル・ロジェによる繊細な彫刻が施されて石膏のシャンデリアなど、特別な技術を持つクラフトマンとともに、新たなストア空間のためのオーダーメイドの特別なオブジェも制作された。そして、マリオ・ベリーニが B&B Italia のために制作したアイコニックなカマレオンダソファや、コンテンポラリーな GOLRAN 社のグラフィカルなラグによって、ストアの快適性がさらに高められている。

　新コンセプトによるストアデザインの変更は2022 年11月から進め、2月にジュネーブ、3月にフィレンツェ、5月にパリ、7月に上海、8月にNYと、世界各国で続々と新コンセプトを導入した店舗が登場していく予定だ。

文：田中美貴

写真：一足早くオープンしたサウジアラビア・ジッダのストア　Courtesy of VALENTINO 

■「ヴァレンティノ」公式サイト