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2022.07.19
「サンローラン」が2023春夏メンズコレクションを発表 ムッシュの「隠れ家」が舞台
「サンローラン(SAINT LAURENT)」が、2022年7月15日に2023春夏メンズコレクションを発表した。モロッコのマラケシュでショーを開催。日本では16日19:00よりブランド公式サイトおよび日本版公式ツイッターでオンライン配信をした。
クリエイティブ・ディレクターのアンソニー・ヴァカレロの徹底的に先進的な「サンローラン」2023春夏メンズコレクションの背景となったのは、メゾン創設者のマラケシュに対する高尚で個人的なリスペクトだったという。創設者であるムッシュ イヴ・サンローランの私的な隠れ家とされていたマラケシュの土地を舞台に表現されたのは、“もし過去にマスキュリンワードローブの構成要素とフェミンなスタイルとの間に境界線があったとしたら”というノスタルジックな問いかけであり、今回のショーにおいてはそれらが溶解し、そして力強く一つに統合されたと言えるだろう。
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恐らく「サンローラン」において最も独創的に富んだ要素であるタキシードにはさらなる再解釈が加えられた。ヴァカレロが「サンローラン」2022ウィンターウィメンズコレクションで探求した新たなバリエーションに引き続き、新しい襟やショルダーの仕上げ、シングルまたはダブルのブレスト、端正でモダンなクリームカラーの軽いシルクファイユのタキシードといったディテールが多用された。
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ハイウェストのワイドパンツは、マラケシュ特有の安らぎある生活を反映し、よりリラックスなムードにアップデートされた。アウターは構築的ではなくルーズに流れるような体をすっぽりと包み込むギャザーのサテンコートがある一方で、テーラードジャケットはグラフィカルなシャープさを演出。ほかにもイヴが愛用し、メゾンが多岐に渡って使用してきた繊細なテクスチャーのウール素材、グレイン・ド・プードルが随所に見られた。
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ランウェイの中心にそびえ立つオブジェクトにも注目したい。期待と神秘が隣り合わせの人生の複雑さを象徴するかのようなこのセットは、1949年発行のポール・ボウルズ著「シェルタリング・スカイ(極地の空)」に着想を得たもので、ヴァカレロとロンドン在住のアーティストであり舞台デザイナーのエス・デヴリンとのコラボレーションにより実現した。光り輝きながら立ち上がるこの円環は、「サンローラン」が同コレクションのリリースに際して引用したポールの名言「人はいつ死ぬかわからないから、人生を尽きせぬ泉のように考えている。だが、すべてのことは一定の回数しか起こらず、実際その回数は極めて少ない。」という循環する刹那的なイメージを見る者に思い起こさせた。