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2018.03.29
ブランド20周年を迎えたメゾン ミハラヤスヒロ 東京で見せた圧巻のランウェイショー
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「メゾン ミハラヤスヒロ(Maison MIHARA YASUHIRO)」が2018年3月28日、東京都港区の秩父宮ラグビー場で2018年秋冬コレクションのランウェイショーを行った。
日本のジャズバンド、ソイル・アンド・ピンプ・セッションズ(SOIL&“PIMP”SESSIONS)のライブで幕を開けたショー。モデルたちの登場を待つ会場に現れたのは何と、トラック。ガードマンに誘導されバックでランウェイに到着したトラックの荷台を開けると、そこには、“積み込まれた”モデルたちが。荷台からひとりひとり降りて、ガードマンのチェックを受けランウェイへ歩き出していく。予想外の演出に会場が湧く。
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そしてコレクションでも観客を魅了する。旬のストリートやワークウェア(アメリカのワークテイストではなく“作業員”スタイル)の要素をベースとしながらも、ステッチでつくり出すトロンプルイユや切りっぱなしのディテール、スリムシルエットのセットアップなどでミハラヤスヒロらしいモードなテイストもプラス。同柄のTシャツとスウェットの重ね、袖が4本あるジャケット、極端なほどワイドな袖のハイブリッドコートなどでスタイリングに奥行きをもたらした。また、パーカーやプルオーバーのドローストリングがメジャーになっていたり、ダウンやボトムスにのせられたキーとなるパターンが、コンテナに積まれた荷物のパッケージのようだったりと、プレイフルなディテールも忍ばせた。
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そしてショー一番のサプライズは、トラックを誘導し、モデルをチェックしていた“ガードマン”がデザイナーの三原康裕本人であったということ。フィナーレではランウェイを駆け抜け、観客の拍手喝采をさらっていた。ブランド20周年という節目の年に東京で見せた圧巻のショー。パリやロンドンなど、世界でもその実力を発揮してきた日本を代表するブランドが、その存在感を改めて見せつけた。
文:山根由実
撮影:土屋航