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2018.03.20

【2018秋冬東京ファッションウィーク1日目】アマゾン ファッション ウィーク東京2018秋冬開幕 AT TOKYOでマメが凱旋ショーを開催

 2018年3月19日、「アマゾン ファッション ウィーク東京(Amazon Fashion Week TOKYO以下、AFWT)」2018年秋冬シーズンが開幕した。東京の渋谷ヒカリエをメイン会場として、3月24日までの6日間で50以上のブランドがショーやプレゼンテーションを行う。

 今回で3シーズン目となる、アマゾン ファッションが主催するプログラム「アット トーキョー(AT TOKYO)」では、先日パリでコレクションを発表した「マメ(mame)」や「アンブッシュ(AMBUSH)」、そして「ネイバーフッド(NEIGHBORHOOD)」などがショーやイベントを開催する。そして、LVMHヤング ファッション デザイナー プライズのセミファイナリストに選出されていた「アキコアオキ(AKIKOAOKI)」や、第4回 東京ファッションアワードに選出された「ディガウェル(DIGAWEL)」など、次世代の東京ファッションを担うブランドにも注目が集まる。

 初日は、韓国人デザイナーのユジュの「フライノック(FREIKNOCK)」でスタート。元サッカー選手らしく、スポーティー要素をふりまいたミクスチャーなストリートモードを発表した。

マメ(mame)

 第1回「FASHION PRIZE OF TOKYO」に選出され、先日パリでプレゼンテーションを開催したばかりの「マメ(mame)」は、ブランド初となるランウェイショー形式でコレクションを発表した。会場は今年3月15日に品川シーサイドにオープンしたばかりの「Amazon Fashion 東京 撮影スタジオ」。Amazon Fashionでは世界最大規模の撮影スタジオだ。コンクリート打ちっぱなしの広々とした会場を、柱に沿ってジグザグに歩くモデルたち。身にまとうのは“織り”が印象的な、工藝品のように繊細で美しいアイテム。フランス人インテリアデザイナー、シャルロット・ペリアンによる展覧会の図録「選択・伝統・創造」にインスピレーションを得て、デザイナー・黒河内真衣子の身近にある美しいものをファッションを通して表現したのだという。深い茶色は事務所の周りに落ちている落ち葉を、ミントグリーンは領収書、そしてベロアのジャガード生地はいつも踏んでいる石段を。さらに、強さの中に可憐な女性らしさを忍ばせたフラワーモチーフは、庭に生えている植物や喫茶店で活けられているものをスケッチしてアイテムに反映させた。ニットや、荒々しくも凛としたエレガンスを感じさせる手織りの生地は、日本の伝統工芸をイメージしている。

 パリでのプレゼンテーションを経て、凱旋ショーとなった今回。世界を視野に入れる日本ブランドとしての貫禄を見せつけた。

「マメ」2018秋冬コレクション

ザ ダラス(THE Dallas)

 デザイナー、田中文江によって2016年秋冬より始動し、イヤリングから人気に火がついたザ ダラス(THE Dallas)が、ブランド初となるランウェイショーを行った。今シーズンのテーマは「ミラー」。ブランド立ち上げから2年たった今、支えてくれたみんなに感謝の気持ちを伝えたいという思いから、自分の姿、ブランドをもう一度見返えそうと、このテーマを選んだのだという。

 ショーは3部構成で行われた。第1部は、リラックスした、自然で落ち着いた装い。体の線に沿ったシルエットながら、ストレッチの効いたニットやショートパンツでアクティブな印象に。ざっくりとしたニットやチェックのセットアップがカジュアルな印象をもたらした。第2部は、内面の暗い部分や葛藤を表現したというダークな装い。ブラックやモノトーンで心の闇を描き出した。そして第3部はとびきり明るく、ハッピーな気分をアイテム・スタイリングに盛り込んだ。カラーパレットはホワイト、シルバー、レッド。オーガンジーやレースの透け感とニットなどの厚みのある素材で絶妙なバランス感覚を見せた。

 また、1部から3部まで、異なる香りをモデルに纏わせ、嗅覚でも楽しめるショーにしたという。ショー終了後のインタビューでは、「ショーを終えての感想は、ただみんなへの感謝しかない。これからは服やアクセサリーだけでなく、お客様を楽しませることなら何でもやっていきたい。今はまだ通過点です」と今後への意欲を見せた。

「ザダラス」2018秋冬コレクション

ティート トウキョウ(tiit tokyo)

 岩田翔と滝澤裕史が手掛ける「ティート トウキョウ」は、メイン会場であるヒカリエの大ホールでショーを開催。ブランドネーム「tiit」の文字をレザービームで映し出したフラッグでゲストを出迎えた。真っ暗な会場とビームという、デジタルでケミカルな空間に登場したのは、ファンシーヤーンで織られたパステルカラーのツィードのセットアップ。その後も、アラン調のニットなどウォーミーな素材のルックが続いた。ロング&リーンのシルエットが甘味を抑え、凛とした女性像を創り上げた。後半は、クールビューティーなルックも登場。デジタルプリントのフェイクファーやエアリーなテクニカル素材のフーデットマントなど、シャイニーなアイテムが目についた。毎シーズン、凝ったテキスタイルを使用したコレクションを発表するティート トウキョウ。今シーズンも、日本各地の職人技で生み出した素材の豊かな表情が印象に残るショーであった。

「ティート トウキョウ」2018秋冬コレクション

エックスエスエムエル((X)S.M.L)

 20年以上インドネシア市場に専念してきたというブランド「エックスエスエムエル((X)S.M.L)」。長い選考を経て今回AFWTに参加が決まり、国際市場への大きな一歩を踏み出した。エックスエスエムエルは、”KISAH”(日本語で”物語”)をメインテーマに、ドラマチックなファッション表現を繰り広げる。今シーズンは、切りっぱなしのディテールやスラッシュ、ラッフルやギャザーで生み出した立体的なシルエット、そしてアシンメトリーといった要素で、ベーシックなアイテムを再構築した。また、今日からブランドのオフィシャルサイトで発表したアイテムが購入できるというシーナウ バイナウも取り入れた。

「エックスエスエムエル」2018秋冬コレクション

 

 そのほか、「ファイブノット(5-knot)」が天王洲にある運河沿いのウッドデッキでランウェイショーを開催。初登場の若きデザイナー、岡﨑満による「ミツル オカザキ(MITSURU OKAZAKI)」、子供服の「ハハ(ha-ha)」らもコレクションを発表した。

 

文:山根由実
撮影(mame/THE Dallas/tiit tokyo):土屋航
編集:Apparel-web

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