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2019.07.26

メンズが大幅増加 「第46回モード・イン・フランス展」の注目ブランドをピックアップ

 東京・渋谷ベルサールファーストできょう26日まで開催されている仏の婦人ファッションブランドによる合同展示会「第46回モード・イン・フランス展」(仏プレタポルテ連盟主催)。初参加ブランドを中心にピックアップした。

イネス・ド・ラ・フレサンジュ・パリ 「シャネル」でカール・ラガーフェルドのミューズとして活動した元モデルのイネス・ド・ラ・フレサンジュが1991年に立ち上げたブランド。2000年にイネスがブランドを離れ休業状態だったが、2015年にファブリス・ボエ氏を社長に迎え再スタート。イネス自身もアートディレクターとして復帰した。パリの女性らしい“パリジャン・シック”が持ち味でウエアをはじめ、バッグなどの雑貨やフレグランスも揃える。「ブランドはイネスそのもの。スタートから約30年が経過し、今は2019年。イネスのエレガントさも表現している」(ボエ氏)。ユニクロとの協業でも知られるが、「日本でイネスの知名度はまだまだ。日本のマーケットを直接見てみたい」(同氏)と同展に参加した。

 

フィアンディーズ 今回、唯一のランジェリーブランドとして参加したのが、「フィアンディーズ」。ファストファッション企業出身のMartine Istanbullu氏が娘のためのランジェリーを作ろうと立ち上げたのが同ブランド。初めて着ける“ファーストブラ”に加え、シンプルなデザインにポップなプリント柄や上質なレース、繊細な生地を用いたブラ&ショーツなどが主力。「初めてブラを着け始めた時から、上質なものを身に着けてほしい」とIstanbullu氏。特にターゲットの年代を設定しておらず、A60からD80まで幅広くサイズ展開している。上代は約30~65ユーロ。直営店とオンラインストアで販売しており、5月には取り扱い店舗の1つであるギャラリー・ラファイエットで最新コレクションをショー形式で披露した。繊細なデザインを気に入るバイヤーも多かったが、それゆえにパットの付いていないものも多い。日本ではパット入りを好む消費者が多いため、バイヤーからもその点について一番多く要望があったという。

 

ル・モン・サンミッシェル 1913年創業の老舗ワークウエアブランドをアレクサンドル・ミランが現代的で都会的なブランドとしてアップデートさせた。ブルーのカバーオールは同ブランドのアイコン的アイテムで、フィット感の調整以外デザインは創業当初から変わっていない。モレスキン素材は丈夫でレザーのように肌に馴染んでいくのが特徴だという。ミラン氏の曾祖母が1919年に建設したニット工場には編みのデザインパターンが数千種類も保管されており、現在のニットコレクションもそのアーカイブを活用しているという。すでに日本でも多くの取引がある同ブランドだが、「通常はパリなどの展示会に日本のバイヤーが来てくださることが多いが、実際に自分たちの目でバイヤーの反応を見たい」と参加した。

 

エキオグ エシカルファッションブランドとして、2003年にスタート。GOTS認証のオーガニックコットンを使用するなど素材選びから、生産過程で使用する水の削減、労働環境の適正化など全工程においてエシカルであることにこだわる。最新コレクションは、繊細なプリントを配したオーバーサイズなドレスや、素材やディテールでひねりをくわえたアイテムが主力。エシカルファッションに早期に取り組んできたが、全世界的にサステナビリティが注目されるなか、バイヤーの反応も非常にいいとい。上代でジャケット180~200ユーロ、パンツ120~130ユーロ。フランスでは20店舗で取り扱いがある。

 

ワティン・パリ 麻や絹などの天然素材を100%使用したメンズカジュアル。アイコン的商品のポロシャツをはじめ、パンツやボンバージャケット、トレンチコートなどをラインナップした。シンプルなデザインに同カラーの異素材でアクセントを加えるなど繊細なスタイルが持ち味。おもな購買層は40~50代だといいい、「日本の男性の感性に非常に合うはず」という。パリに直営店も構える。卸価格でポロシャツ70ユーロ、トレンチコート460ユーロ。

 

ギリズ(GILI’S) メンズ&キッズ向けの水着ブランド。リゾート地でバケーションを過ごすことが多い欧州市場に向けクラリス&エメリック夫妻が立ち上げた。ウエストがゴムになった「トラワンガン」とベルトタイプの「エアー」の2ラインを用意。親子でお揃いコーデも提案している。グラフィカルなオリジナルプリント柄が特徴で、最新コレクションはオーストラリアからインスピレーションを受け、オペラハウスやカンガルーなどをモチーフにした柄を発表した。卸価格で4,600~5,100円。来年からレディス向けアイテムも企画する計画。

 

オロウ(OLOW) 2006年にアレクサンドルとマシューの2人が立ち上げたメンズブランド。エシカルであることにこだわり、現在全アイテムの6割はオーガニック素材を使用(将来的にはすべての商品でオーガニック素材に切り替える予定)。ポルトガルの生産工場の労働環境や賃金体系などを整えるなど生産過程においても倫理的な配慮を徹底している。パリに直営2店舗があるほか、フランスで70店舗、世界で200店舗で取り扱いがある。着心地やシルエットにこだわったコレクションで、アーティストとの協業ラインもある。Tシャツ20ユーロ、ジャケット84ユーロなど。

 

アコテ 1993年スタートしたウィメンズブランド「コテラック」は現在世界120店舗を構える。フェミニンでシックなデザインは、テキスタイルへのこだわりも強く、日本の生地も数多く使われている。2004年にスタートした妹ブランド「アコテ」は、より若々しいデザインと明るい色使いが持ち味。価格はコテラックより2~3割低い。注力市場である日本と米国に現地法人があり、日本国内では全国主要都市を中心に12店舗で取り扱いがある。同展には、地方の専門店にも販路を広げたいと参加した。

 

スポール・デポック ブランド名は、“あの時代のスポーツ”の意味。ユニフォームのレプリカであるクラシックなコレクションをはじめ、スポーツの歴史におけるエポックメイキングな人物や事柄をデザインに反映させている。新作コレクションは2020年のオリンピック競技大会やサッカー欧州リーグをモチーフにしたアイテムを揃えた。パリのマレ地区に旗艦店を持つ。

 

フレンチ・テオ(FRENCH THEO) フラットサンダルやサボなどのベーシックなデザインに100%天然素材を採用しているのが、2016年創業の「フレンチ・テオ」。新コレクションは、仏ノワールムティエ島のノスタルジックな夏の思い出をコンセプトに、鮮やかな原色やメタリックカラーなどを使用した。EXW価格でサンダル約75ユーロ、サボ約80ユーロ、シューズ約90~100ユーロ。創始者のフィリップ・ジャグノ(Philippe Jagueneau)氏は、人気靴ブランド「ロベール クレジュリー」で14年間デザイナーを務めた経験がある。

 

エシャペ・ベル(ECHAPPEES BELLES) フェミニンなシルエットに繊細なプリント柄やひねりのあるディテールを加えたウィメンズブランド。生地は日本とイタリア生産のものを中心に使用している。FOB価格でワンピース約10ユーロ、パンツ約70ユーロ。

 

ノース・ヒル(NORTH HILL):音楽業界出身のクリストフ、ミカエル、ジハドの3人が2014年に立ち上げたメンズストリートウエアブランド。すべてパリで生産しており、あらゆるライフシーンに対応できるようカジュアルからフォーマルまで提案している。最新コレクションは、仏北部に見られる多国籍文化をカラーブロックなどのデザインで表現している。有力バイヤーから、デザインや縫製に対する好評価を得た(ジハド・デュボア氏)という。

 

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