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2018.12.11
キム・ジョーンズがBFC主催ファッション・アワードの新しい賞「トレイルブレイザー賞」を受賞
東京で2019プレフォールコレクションショーに登場したキム・ジョーンズ 撮影:土屋航
英国ファッション協会が主催する「ファッション・アワード(Fashion Awards) 」の表彰セレモニーは12月10日にロンドンのロイヤル・アルバート・ホール(Royal Albert Hall)にて行われた。
特筆したいのは、同アワードに今年から新しく「Trailblazer(先駆者賞)」という賞が設立されたこと。これは今日のファッション業界を牽引するような最高のイノベーターとそのクリエイションを表彰するものだ。そしてその栄えある第一回の受賞者としてキム・ジョーンズが選ばれた。
キム・ジョーンズは、「ダンヒル」、「ルイ・ヴィトン」などの大手メゾンを経て、今年3月にディオールのメンズ・アーティスティックディレクターに就任。以来、同ブランドを全世界レベルで大きく成長させた。6月のパリメンズファッションウィークで発表された、彼による「ディオール」のデビューコレクションではKAWSとコラボし、メゾンのシンボリックなエンブレムを再解釈してBEEモチーフを創り出した。このコラボレーションは、世界中の主要ファッション都市の店舗やランドマークのアートインスタレーションとして使われ、メディアからも消費者からも大きな注目を集めている。
また去る11月30日には、東京にて同ブランド初のプレフォールメンズショーを発表。今回は、日本のアーティスト空山基とのコラボレーションでさらに境界線を広げた。キム・ジョーンズによるこれらの斬新なコラボは、デザイナーとして有名になる前にはギャラリーで働き、当時の有名アーティストたちとコラボしてきたクリスチャン・ディオールの歴史とも重なる。そしてこれらのコラボレーションは、クリエイションとセールス的部分での両方の成功をブランドにもたらしていると言える。この辺りの彼の実績が評価され、今回の同賞受賞となったようだ。
今回の受賞に当たり、キム・ジョーンズは「私はこの賞の受賞を非常に嬉しく思います。 私の仕事がこのように評価されることは私にとって大きな意味があります」と語っている。
(文:田中美貴)