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2025.12.04

「シャネル」 2026 メティエダール コレクションをNYの地下鉄駅で発表 ポップカルチャーとメゾンダールを融合

 「シャネル」が2025年12月2日に米ニューヨークの地下鉄駅で2026 メティエダール コレクションを発表した。アーティスティックディレクター マチュー・ブレイジーによる初のメティエダール コレクションとして、地下鉄の多様性と文化的エネルギーをテーマに掲げた。学生から実業家、ティーンエイジャーまで、あらゆる人々が行き交う地下鉄を「映画のなかの主人公たち」と捉え、都市に生きる人々の個性と日常のドラマをファッションに昇華する。

 

 

 

1920年代から2020年代までを横断する「時間のミックス」

 コレクションは、アールデコの豪奢なドレスから新しいラウンジスタイルまで、異なる年代のスタイルを縦横無尽に混ぜ合わせるアプローチが特徴。パリとニューヨークという二大都市のエスプリが、le19Mの卓越したサヴォアフェールとポップアートの衝突によって、遊び心とシックさ、実用性とエキセントリックさを同居させた。
 
 
 本コレクションで特に目を引くのは、伝統的な職人技がポップカルチャー的な視点で再解釈されている点だ。複雑な刺繍を持つ「ランジェリーデニム」、アールデコドレスにルサージュの刺繍とルマリエのレザーフリンジ、ウールブークレツイードで表現したランバージャックチェック、ピーナッツやリンゴを象ったエナメルのアクセサリー、アイスキューブのようなガラスカボションのジュエリー・・・いずれも高度なクラフトマンシップをベースにしながら、ウィットに富んだアイコン性と都市の遊び心を宿す。

 

「都会の主人公」たちが体現する多様なキャラクター

 ショーには、社交的な女性から働く母親、ティーンエイジャー、ココ・シャネルをイメージしたモデルまで、架空と現実が交錯する様々な人物像が登場。彼女たちのスタイルは、アニマルプリントのレオパードツイード、金のウロコを模したレザーバッグ、フリンジを施したチューリップスカート、魚の刺繍をあしらったスリップドレスなど、大胆なモチーフと精緻な仕立てが共存する。
 
 
 1931年、ハリウッド滞在前後にニューヨークを訪れたガブリエル・シャネルは、ダウンタウンで自らの服が自由に着こなされる光景を目にし、「最大の賞賛」であると理解したという。今回のコレクションは、そのエピソードから着想を得て、映画的な世界観とNYへの愛を織り交ぜた。
 
 
 
 今回のメティエダールは、伝統技術の継承と進化を使命としながら、現代都市のダイナミズムとスタイルの多様性を鮮やかに描き出した。NYのストリートを起点に、クラフトとポップカルチャーを接続したマチュー・ブレイジーの手腕は、次世代のメゾンダール像を示す意欲的な試みと言えるだろう。

 

 

 

来場セレブリティ

  • エイサップ・ロッキー

  • クリステン・スチュワート

  • 安藤サクラ

  • G-DRAGON

  • ティルダ・スウィントン

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