2025年（第43回）毎日ファッション大賞 表彰式／提供：毎日新聞社

　「毎⽇ファッション⼤賞」（毎⽇新聞社主催、経済産業省後援）が2025年10月23日、東京都千代田区・大手町三井ホールで「2025年（第43回）毎日ファッション大賞」表彰式を開催。大賞は「オーラリー（AURALEE）」の岩井良太デザイナーが受賞した。

2025年（第43回）毎日ファッション大賞 表彰式／提供：毎日新聞社

　同賞は、毎⽇新聞創刊110年を記念して1982年に創設。ファッションに携わる⼈々の優れた業績を称えるとともに、新たな才能を発掘し、より充実したファッション情報の発信を続けることで、ファッション界のさらなる振興および⽂化の育成に貢献してきた。

大賞・「オーラリー」の岩井良太デザイナー

2025年（第43回）毎日ファッション大賞 表彰式／提供：毎日新聞社

　大賞受賞の岩井デザイナーは⼤学卒業後、⽂化服装学院夜間部に通いながら、パタンナーやデザイナーとしての経験を積み、2018 年「FASHION PRIZE OF TOKYO」、2019年「第 37 回毎⽇ファッション⼤賞」新⼈賞・資⽣堂奨励賞を受賞。パリでのコレクション発表をするなど活躍している。

　今回の受賞に際し、「シーズン毎に積み重ねの中で僕たちの服に共感してくださる方々が少しずつ増え、海外で発表を始めてからは、日本のものづくりが世界でもしっかり評価されるのだと改めて実感しました。それが自信にもなり、これからもより良いものを作って世界に広げていけたらと思っています。このような大きな賞をいただけて本当に光栄なのですが、僕は日々の生活の中で幸せを感じるのは天気が良かったり、いつものお弁当を食べたり、お風呂に入ったり、そんな毎日のささやかな瞬間です。オーラリーの服も同じように派手なインパクトを残すものではありませんが、服を着てくださる方が日常の中でふと嬉しい気持ちになったり、少し気分が高揚したり、そんな存在であれたらと思っています。これからも背伸びをせず、自分たちらしさを大切にしながら成長し、素材への好奇心と関わってくださる皆様への感謝を忘れず、誠実に服作りを続けていきたいと思っております」と語った。

　また、新⼈賞・資⽣堂奨励賞には「フェティコ（FETICO）」の⾈⼭瑛美デザイナー、選考委員特別賞として、「ミナペルホネン（minä perhonen）」の皆川明デザイナーが選出された。

新⼈賞・資⽣堂奨励賞・「フェティコ」の⾈⼭瑛美デザイナー

2025年（第43回）毎日ファッション大賞 表彰式／提供：毎日新聞社

　受賞の際、舟山デザイナーは「ファッションデザイナーという仕事がすごく好きでこの仕事を通して出会う人であったりとか、自分が思い描いていたものを形にしていって、それで人を幸せにできるということの仕事が本当に大好きで、この仕事を一生続けたいという覚悟を持ってブランドを立ち上げました。“The Figure : Feminine（その姿、女性的）”というコンセプトなんですけど、これは私がすごくそれぞれの個性的な魅力だったりとか、それぞれが持っている身体の美しさ、そういったものにインスピレーションを受けてデザインをしているっていうところから、新しい時代を築いていくような女性像をデザインしていきたいという決意を持ってこのコンセプトに決めました」とブランドへの想いを語った。

選考委員特別賞・「ミナペルホネン」の皆川明デザイナー

2025年（第43回）毎日ファッション大賞 表彰式／提供：毎日新聞社

　そして、選考委員特別賞の皆川デザイナーは「30年経てば、日本の生産地も生産者の皆様もまた以前のように活性化してくるのかなという想いで始めたんですけれども、このような栄誉ある賞をいただきながら、まだその道は半ばだという風にも感じております。だからこそ、この30年以降、また生産者の皆様と力を合わせて、そして私たち独自の開発を続けながら、お互いに力を伸ばしていって、物を作る人の喜びと、そしてそれを着る、使う人の喜びを同時に叶えていけるように精一杯、これからも尽くしたいと考えております。（中略）改めてこの後もまた私たちの一歩が続いていきますけれども、その一つ一つを大切にして、日本のものづくりが継続していくようなクリエーションの世界を作っていきたいと思います」とコメントしている。

　さらに、⻑らく業界に貢献した⼈や団体に贈られる鯨岡阿美⼦賞には株式会社⽷編代表取締役でファッションキュレーターの宮浦晋哉さん、話題賞にはYKK 株式会社「YKK ファスニングアワード」が選ばれている。

■「毎⽇ファッション⼤賞」公式サイト