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2024.11.24
大規模カンファレンス「世界服装大会」が中国・広東省で開催 日本からは久保CFD TOKYO議長と中里唯馬デザイナーが登壇
写真:21日に行われた開会式セレモニー
2024年11月20日から3日間、中国広東省東莞市虎門鎮において大規模カンファレンス「2024年世界服装大会(Global Apparel Conference 2024)」が開催された。開催地となった虎門鎮は繊維およびアパレル産業の中心地として知られており、今回で2回目となる同カンファレンスは同地で開催される第27回中国(虎門)インターナショナルファッションフェアに合わせて実施され、世界各国からデザイナーや業界関係者が集い、国際的な協力と交流を深める場となった。主催は中国紡績工業連合会、中国服装協会、中国紡績情報センターだ。
本大会には欧州・アジア・アフリカ地域から20を超える国と地域が参加した。日本からは「ユイマナカザト(YUIMA NAKAZATO)」デザイナーの中里唯馬氏が招かれたほか、一般社団法人東京ファッションデザイナー協議会(CFD TOKYO)の代表理事・議長を務める久保雅裕氏が来賓として参加した。開幕式には700人以上が現地で参加し、オンライン視聴者は6000万人に達した。
写真:「国際アパレル協力開発円卓会議」に出席した久保CFD TOKYO議長
11月20日午後には「国際アパレル協力開発円卓会議」が行われた。久保CFD TOKYO議長が「日本のアパレル業界の現状、課題及び国際協力の考え方」をテーマに発表を行った。CFDの歴史や活動内容を説明するとともに、国内消費動向や国際的なデザイナー団体との協業について言及。特に上海デザイナー協会(SFDA)との協力協定を具体例として挙げ、団体間連携の重要性を強調した。
写真:「開幕大会」の様子
11月21日午前には「開幕大会」を開催。中国紡績工業連合会の孫瑞哲会長が「協力して価値を創造し、融合して未来を開く」をテーマに基調講演を行い、業界の調和と発展の必要性を訴えた。また、フランスオートクチュール・モード連盟のパスカル・モラン会長もビデオメッセージを寄せ、国際協力の重要性を述べた。久保議長はデジタル演出を活用したテープカットセレモニーに参加した。
写真:パネルディスカッションに登壇した中里デザイナー
中里デザイナーは「ファッションの変化とデザインの進化」をテーマにしたパネルディスカッションに登壇し、「中国でSNSアカウントを開設しました。SNSによる海外とのコミュニケーションが重要性を増していると感じています。また、AIなどの新しい技術をファッションに取り込むことも大切です」と話した。他のパネリストには、元ジバンシィメンズチーフデザイナーのBrendan Mullane氏、LIU YONGデザイナーのLiu Yong氏、マックスマーラのクリエイティブコンサルタントAlbino D’amato氏、KITONアジアCEOのPaolo Monaco氏、Jonathan & FletcherのジェネラルマネージャーGregory Pessey氏が名を連ねた。
写真:ミーティングに参加する中里デザイナー
11月21日午後には「国際デザイナーと中国ブランドの交流ミーティング」を実施。中里デザイナーは、自身のパリ・オートクチュール・コレクションや映画「燃えるドレスを紡いで」などの映像を交えて紹介。また、スパイバーのブリュードプロテイン技術を取り上げ、新素材による循環型エコノミーの重要性を論じた。
写真:フォーラムに登壇する久保CFD TOKYO議長
11月22日午前、「テーマ別フォーラム」を開催。「科学技術革新」「ファッション・クリエイティビティ」「持続可能な未来のためのグリーンイノベーション」の3つのフォーラムが開催された。久保CFD TOKYO議長は「ファッション・クリエイティビティ」フォーラムで講演を行い、日本のファッション市場の歴史的変遷や、コロナ後のデジタルトランスフォーメーションが消費行動に与える影響について語った。具体例としてD2CモデルやC2Cプラットフォーム(二次流通市場)の動向を示した。
カンファレンス終了後、久保CFD TOKYO議長は「今回知り合えた欧州、アフリカを含めた各国団体・企業との関係構築、コラボレーションが生まれれば良いと考えています」とコメントし、CFD TOKYOの国際交流に意欲を見せた。
画像提供:世界服装大会