NEWS
2024.11.21
ZOZO NEXTが次世代買い物体験を提供、ゴーグル型端末用アプリで
ゾゾグループのZOZO NEXT(ゾゾネクスト)は11月16日~24日の9日間、渋谷パルコで開催しているファッションブランド「アンリアレイジ」の新作コレクション先行受注会で、360度のバーチャル空間上で次世代のショッピング体験ができるゴーグル型端末「アップルビジョンプロ」用のアプリを提供している。
先行受注会には実物の商品は置かず、「アンリアレイジ」が展開する2025年春夏アイテムの一部と、アプリ限定商品の計11型を高解像度の3Dで表現。バーチャル空間で商品をチェックし、予約リストに追加する体験をしてもらう。
「アップルビジョンプロ」を装着したユーザーは、バーチャル空間のメインエリアに陳列された7つの新作バッグを、親指と人差し指でつまんで動かすことで、各アイテムを手前に持ってきたり、回転させたりして商品の素材感を含めて隅々まで確認することができる。
右に向けばアパレルエリアがあり、アプリ限定で展開するシャツ4型をチェックすることができる。気に入ったアイテムは予約リストに追加することも可能だ。メインエリアの左を向けば動画エリアで、新作コレクションの動画を視聴することもできる。
予約したアイテムはアプリ内で決済までは行わず、予約リストに入れて「送信する」を選択するとスタッフに情報が届き、スタッフのサポートを受けながらiPadで決済を行う流れとなる。技術的にはバーチャル空間で決済まで行えるが、操作のしやすさなどを考慮してiPadを活用しているという。
ゾゾネクストは先行受注会の体験者にアンケートをとってフィードバックを得る考えで、「バーチャルショッピングが新しい購買体験として受け入れられるかを確認する」(玉村雄大MATRIX本部XR/AI部ディレクター)という。
同社では、技術の発展が目覚ましいAR・VR領域で取引先の課題を解決できるユースケースを生み出したいと考えていた中で、「アンリアレイジ」も新しい購買体験に興味があり、プロジェクトを組むことになった。
ゾゾネクストは3Dの服作りと販売の知見はあったが、今回は360度の仮想空間の中で商品などを見せることに挑戦。3Dの製作ソフトでアイテムなどを作り込むが、実際にデバイスに実装して確認すると広さの感じ方や迫力が異なるため、トライ&エラーを繰り返したという。UIについてもパソコンの場合は画面内に収まるように作るが、「仮想空間の場合は視界の範囲が広く、制約がない分、正解が分かりにくい部分があった」(玉村ディレクター)とする。
視界にキレイに収めてしまうと、〝仮想空間ならではの体験〟がなくなってしまうため、アパレル商品をあえてメインエリアとは別エリアで見せるなどの工夫をしたという。