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2015.01.28
顧客を離さない 老舗ブルーミングデールズに見る店頭&SNSプロモーション
2015年初のコラムです。昨年は多くの方にコラムを読んで頂き、またシェアして頂き感謝です。今年も、気になるファション事情や、ファッション業界がビジネスに取り込むIT事情に関してお伝えしていきたいと思いますので宜しくお願い致します。
さて、ニューヨークといえば今年も世界中から新年のカウントダウンに参加しようと多くの人々が集まりました。
リテールでは、ストアのウィンドウをホリデーウィンドウとして新年も含めそのままにしている店舗や、クリスマスが終わると一転リゾート・コレクションをフィーチャーしたものに変わるところと様々。今回は、百貨店の中でもストアウィンドウの見せ方がインタラクティブで、ソーシャルネットワークを通じてお客様と積極的にエンゲージを図っているブルーミングデールズの例をご紹介したいと思います。
セルフィー撮影で賑わうショーウィンドウ
ブルーミングデールズのツイッター(Photo via @Blomingdales twitter)
ブルーミングデールズの2014年ホリデーシーズンのウィンドウをのぞいたところ、7つのウィンドウで、 「Sleigh Ride」「(It Must Have Been OI’)Santa Claus」「Let It Snow! Let It Snow!」「Rudolph the Red-Nosed Reindeer」など、ホリデーにちなんだ曲をフィーチャー。それぞれウィンドウを大きなフォトフレームに見立てて演出していました。ただ単に美しいというだけでなく、ソーシャルメディアやゲームなどホリデーウィンドウを一目見ようと訪れた人や、お買い物に来た顧客らを飽きさせない工夫が行われていました。
7つのウィンドウの中でも今の時代を象徴するのが、このセルフィーが撮れるウィンドウ。
ウィンドウの中央にはブルーミングデールズの大きなショッピングバッグ型の画面のモニター。向かって左に小さなモニターが設置され、そこには証明写真を撮るときのようなカメラが設置されていました。
準備ができたら画面をタッチすることで数秒で撮影は完了。
この写真でオッケーだよというのであれば、グリーンのリボンの「Accept(承認)」ボタンをタッチ。撮り直したければピンクのリボンの「Re-take Photo」ボタンをタッチすれば、何度でも撮影し直すことができます。
撮影した写真は、いったんショッピング型バッグのモニターに表示され、それを承認すると、ブルーミングデールズのフェイスブックページにシェアされると共に、ウィンドウの左に設置されているミニモニターにもシェアされるようになっています。
年末年始の休暇中に、ここ数年のニューヨークのリテール事情を撮影した写真を整理していたのですが、リテール、ブランド、そして街中でソーシャルネットワークを取り入れた動きが明らかとなってきたのが2011年。それから4年。
こうしたインタラクティブなストアウィンドウの取り組みや、ハッシュタグを活用したマーケティングを頻繁に目にするようになった今、2015年以降はどのような新たなソーシャルメディアを活用したお客様とのエンゲージの仕方が見られるのか、今後もコラムを通じて紹介していけたらと思っています。
R I N A 90年代の米国がネットバブルだった頃に米国にて日本向けのファッションポータル事業にコンサルタントとして関わる。
以降、「ファッション」と「インターネット」上で行われるビジネスを中心とした事業に15年ほど携わり、Web製作やディレクション、ビジネスのコンサルタントを行う。現在は米国のファッション事情やトレンド、ファッションとIT関連を中心とした執筆、今までの経験と知識を活かしビジネスサポートも行っている。
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