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2022.04.07

ジュピターショップチャンネル 新物流拠点が本格稼働、最新の自動倉庫など導入

 ジュピターショップチャンネルは4月6日から、千葉・船橋市内の新たな物流拠点を本格稼働させた。高密度保管が可能な自動倉庫など最新鋭の設備を導入。また、その日に放送する番組によって出荷する商品が毎日、変わるテレビ通販という事業特性に合わせて、作業員が倉庫内を歩き回ることなく定位置でピッキングできる仕組みのほか、売れ筋商品のみに集中して出荷作業を行う形など複数の方法を設けて最適化、従来の拠点に比べて作業効率を高めつつ、省人化を図っている。

本格稼働させた物流拠点は「ショップチャンネル南船橋物流センター」。JR南船橋駅から徒歩圏内に立地している地上8階建ての免震構造の物流施設「三井不動産ロジスティクスパーク船橋Ⅲ」(所在地・船橋市浜町2‐4‐7)の5階の約半分と6~8階すべてを借り受けた。賃貸部分の延床面積は10万103平方メートル。5階は家電などの大型品を保管、出荷する専用エリアで、6~8階は大型品および産地直送である食品を除く取扱商品全般を保管・出荷する。なお、7~8階は入荷・保管エリア、6階は主に出荷エリアとなっている。従来までの基幹物流拠点であった千葉・習志野市内の「茜浜物流センター」は4月3日を最終出荷日としてクローズ。同拠点の周辺に構えていた商品保管倉庫もすでに閉鎖している。また、群馬・伊勢崎市内の大型商品などの出荷拠点も5月末で稼働を終え、同社の物流拠点は新拠点に集約、一本化する。庫内作業を含む物流業務はこれまで通り、住商グローバル・ロジスティクスに引き続き、委託する。

 新拠点では前日の午後11時59分で締め切った1日分の受注分を、翌日の午前9時から午後5時までに出荷する。夜間の作業は行わない。物流設備大手のダイフクなどの設備やシステムを導入し、入荷時の荷下ろし以外の商品の入庫・出荷などの庫内作業の大半を自動化している。

 商品の入庫は6、7、8階にそれぞれ設置しているパレット自動倉庫と6階に設置したバケット(折りたたみコンテナ)自動倉庫に分けて格納。それぞれの自動倉庫は3フロアを行き来できる3機の垂直昇降機によりつながっており、「6階から8階の自動倉庫の商品を呼び出せるなど疑似的に1つの巨大な自動倉庫を運用しているようなもの」(物流本部・菅原大介倉庫運用部長)とする。

 7、8階の自動倉庫は「3D自動倉庫」(写真(上))と呼ばれるダイフクの最新鋭の自動倉庫で、一般的な自動倉庫はクレーンが棚と棚の間を通って商品を入出庫するが、同自動倉庫は縦軸に走る大型の高速仕分け台車(STV)の上に小型のSTVが乗り、目的の棚の横にとまると小型STVのみが横軸に移動して棚の奥へと入り込んで入出庫を行う形式で、台車の移動のレールを減らすことでより高密度に商品を格納できる。なお、7階の自動倉庫は3アイルで2793棚、8階は4アイルで4593棚、STVはそれぞれ5台車となっている。6階のパレット自動倉庫(6アイル、741棚、STV8台車)は一般的なクレーン式自動倉庫を導入。3D自動倉庫は商品の高密度保管が可能な一方で、入庫商品を出庫する際などのスピードが遅いため、出荷エリアであり、当日に番組で紹介する出荷頻度が高い商品などを多く格納するようにしている6階の自動倉庫は保管効率よりも取り出しスピードの速いタイプを設置した。また、同じく6階にはバケット自動倉庫(24アイル、5万7728棚)を設置しており、ここには在庫数量が少ない商品などを在庫している。

 どの階の自動倉庫にどの商品を格納するかは当該商品を販売する番組の放送日に応じて効率よく出庫、出荷できるようすべてコンピューターが自動制御するという。各自動倉庫に格納した商品は受注に従い、ピッキングし出荷していくことになる。流れとしては、まず6階の大型プリンターで明細書を発行、同梱セットラインで番組ガイドなど顧客ごとに異なる同梱物と一緒にしたパッケージを自動組み立て機で組み上がった折りたたみコンテナ(オリコン)にセットする。オリコンはオーダーシャトルを通って、庫内作業員がピッキング作業を行う場所に順次、送られる。そこには各自動倉庫から受注商品を格納したオリコンも呼び出され集まってくる仕組みとなっており、庫内作業員は倉庫内を歩き回ることなく定位置で商品のピッキング作業が行えるGTPを導入している(写真(下))。受注商品を入れたオリコンは6階にあるマニュアル梱包ライン(5ライン+特殊ゾーン)に送られる。同社では配送効率や顧客利便性の観点から様々なサイズの段ボールを使用しているが、同サイズの段ボールを使用する商品を入れたオリコンが各ラインに自動的に振り分けられ、自動製函機で作られた段ボールへオリコンから商品と明細書を詰め替える人手による作業の効率を高めている。その後は自動封函機で封をされ、送り先のラベルを貼り、地域ごとに8つに仕分けされた出荷ソーターに送り、佐川急便に引き渡され出荷する流れ。



 基本的な出荷までの流れは以上の通りだが、「毎日、ボリュームゾーンが替わるテレビ通販という事業形態に合わせて、様々なピッキングのやり方を組み合わせて最適化を目指した」(菅原部長)として、GTPだけで完結することなく、いくつかのピッキング方法を用意した。

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