NEWS
2019.03.04
【2019秋冬パリコレ ハイライト4】マニッシュ、フェミニン、モノトーン、自然由来…定着する多様化
2019秋冬パリコレクションでは、パットを入れたジャケットとパンツなどのマニッシュで力強いデザインがある一方、透けるドレスやミニスカートなどのフェミニンなデザインも提案されている。また、色も黒や白ときれいな色の両方が提案されている。ここ数シーズン、ダイバーシティなど多様化が定着する中で、デザインや色も、相反するものが両方必要ということなのだろう。
アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)
「アン ドゥムルメステール」は、ピンクやレッド、イエロー、パープルなど、花や自然を感じさせるきれいな色を使ったコレクションを発表。独自のスタイルを続けながら、色を使うことでこれまでとは違うムードを出している。フリルやドレープなど、テクニックは変わっていないが、全体の印象はこれまでとは違って見える。また、黒や白を使ったデザインもニットやフーディなどカジュアルなアイテムを使うことで新鮮に見えた。
クレージュ(Courrèges)
「クレージュ」は、白や円形カッティングを使ったデザインやファーのドッキングなど、60年代の未来派や宇宙ルックを現代のバランスで再構築したかのようなデザイン。60年代には未来だった時代が現在になった今、「クレージュ」らの創りだしたスタイルが今も新しく見え、現代に影響を与えていることを再認識させた。また、同じデザインを黒にすることでリアルに仕上げたものや、色や柄を使うことで、未来的な中にもナチュラルな要素やリラックスしたムードを出したデザインも登場した。
ギ ラロッシュ(GUY LAROCHE)
「ギ ラロッシュ」は、永遠の色である黒を駆使したコレクション。肩パットを入れた80年代を思わせるパンツスーツやマントなど、マニッシュでパワフルなアイテムから、夜空に光る雷のようなグラフィックを使ったシリーズ、そして透ける素材や光沢のある素材を使ったフェミニンなシャツやスカート、ドレスまで、黒の可能性を追求した。黒のアイウェアや服と同様な雷を思わせるグラフィックを用いたレッグウェアなども、今シーズンの黒を強調している。
マニッシュ アローラ(MANISH ARORA)
「マニッシュ アローラ」は今シーズンもパワフルでSNS映えしそうなコレクションを発表した。ユニコーンのモチーフや光が点滅するハイテクバッグを始め、東京のストリートやかわいいカルチャーとも共通するカジュアルなスタイルとアフリカを思わせる力強さをリミックス。どこから見ても「マニッシュ アローラ」らしいスタイルに仕上げている。また、今回はピカソなども取り入れたアフリカの土着的なものや宗教的な要素をプラスしたようなデザインやマスク、ヘッドピースなども登場。宗教的なマスクや頭に付いたお香を燃やしたまま歩く演出など、インパクトのある演出と着られるポップなアイテムが共存するコレクションは、おとなしくなったパリコレクションを盛り上げるショーとして定着している。
アトライン(ATLEIN)
ボディコンシャスと装飾性が共存するコレクションを見せたのは「アトライン」。背中を開けたデザインや女性の体を強調したボディコンシャスライン、ミニスカートなどには、ドレープやギャザー、柄などをプラス。リアルなバランスを作りだしていた。