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2019.01.31
【イーベイジャパンのジャヒョン・グ本部長に聞く 「Qoo10」の現状と今後㊤】 初TVCMで集客拡大、新規出店者開拓にも効果
仮想モールの「Qoo10」を手がけるイーベイジャパンは事業規模の拡大に向けた戦略を鮮明化させている。認知度アップを狙い昨年11月から実施した初のテレビCMは、すでに大きな効果をもたらしているようで、2019年も同様のマスキャンペーンを行うことが決定。また、新規出店者拡大に向けた組織変革にも取り掛かるなど、着々と土台作りが進んでいる。ジャヒョン・グマーケティング本部本部長に今後の戦略や市場展望などについて話を聞いた。
――昨年は11月と12月に初のテレビCMを放送した。
「かなりの効果があったと認識している。11月の最初のCM放送当日はトラフィックが3倍になってサーバーがダウンするほどの反響があった。マーケティングとして一番重視していた新規会員登録が放送以前と比べて一日平均で2・5倍以上となった。1回目の放送終了から1カ月以上経っているが、その効果は今もまだ続いており、2倍以上となっている。新規登録の8割は20代~30代の女性だった。テレビCMの効果だけとは言い切れないが、取引高の成長にも大きくつながった」
――CMと連動してモール自体ではどのような備えを取っていたか。
「新規が多く入ってくることが予想されたので、新規のための『ウエルカム割』として、5分の1、10分の1の値段でコスメやギフト券など10種類以上を用意した。また、新規だけでなく応募形式で誰でも買える『0円商品』も用意し、1回目は100万円相当のハワイ旅行券(ビジネスクラスでホテル付き)を2人分で行ったが、それだけで5万人の応募があり、その内5000人が新規だった。さらにその内5割が0円商品以外も購入してくれるなどその先につながった。
2回目以降もQoo10のギフトカード100万円分(毎月10万円分を付与)のほか、『グッチ』のバッグ、『iPad』なども用意した。ハワイ旅行券以上に手ごろな商品へのほうが多く応募が来た。商品の種類を変えながら年末まで継続して行った」
――今回のプロモーションコストについては。
「テレビCMの費用だけでなく、クーポンやウェブ広告なども合わせて、かなり大規模なものとなった。今回のキャンペーン効果はかなり当たったと見ているので、この印象が薄れる前に19年の春先の早い段階でもう一度テレビCMを行うことも検討している。まだまだ認知度を上げたいので、クリエイティブは新しくしながらも、テーマ自体は変えずに今回と同じようなプランニング、メッセージ性を持ってやっていきたい」
――出店者の新規開拓などへの影響は。
「CMで多くの企業さんも(Qoo10を)知ることとなったので、営業現場での反響も大きく、大手の新規開拓も見られるようになった。実はCMと並行して出店者向けのプロモーションも行っており、この一定期間の新規出店者を対象に手数料の50%キャッシュバックを実施したところ、良い成果が出たと聞いている。また次回のCMに合せて同様の企画を行いたい」
――そのほかに新規出店者開拓に向けて行うこととは。
「年明けから2月にかけて社内の営業体制も一部変えていっており、新規出店者獲得の専門の部分を手厚くして、効果的な構造にしていっている。今までは入り口(獲得)から運営まですべてを営業が担当者として見ていっており、そこでのメリットもあったが、これからは少し形や役割を変えていくイメージ」(つづく)