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2012.06.28

各企業によって始められつつあるSNS市場でのプロモーションとは?

ファッションとITの繋がりが恒常化してきている今。
特にSNSとの繋がりは、アパレル事業での販促において、必要不可欠といっても過言ではないのでしょうか。

 

 そんなSNS業界の中でも、2012年1月時点でユーザー数が8億人を超えたFacebook。その中で、今回、注目してみたのが、ユーザーとの交流のために作成されたFacebookページ。
 多くのユーザーに向けてプロモーションができるというメリットを活かし、各企業が行っているビジネスに目を向けてみました。

 

 米国最大の衣料品小売店でもあるGap JAPANでは、日本初のFacebook連動型リアルタイム投票イベント『ハイタッチ!でいいね!GINZA VS HARAJUKU SUMMER T コーデ イベント』を、5日間限定で開催しました。
Gapフラッグシップ(銀座店・原宿店)にて開催された同イベントは、店舗へと足へ運び、お気に入りコーデを着ているスタッフとその場でハイタッチすることにより、そのコーデに対しての「いいね!」が、自身のFacebookウォールに出現するというイベント。
 ハイタッチされた数は、キャンペーンページ内にリアルタイムでランキング集計されていき、人気のコーデを決定すると言う主旨のもと行われました。
さらには、ハイタッチしてくれた方にプレゼントを設けるなど、Facebookページだけを利用し、直接、店舗へと訪れてもらうキッカケをつくりだしていたのです。

Gap JAPAN : http://gap.co.jp/

 また、Facebookページをまったく違う角度から利用し、販促に活かしているのがスペイン発のファッションブランドZARA。
 ZARAのFacebookページをよく見てみると、文字がほとんどないことに気が付きます。
写真のみでページを盛り上げるという活用法も新鮮ですが、同時に、写真に販売サイトのURLをつけることで同じアイテムが購入できる仕組みとなっています。
 ユーザーの意識を向けるためのコピーライティングは、ネットビジネスをするうえで、重要な役割を担っているという常識を覆すZARAの方針も、今後は他企業でも増えていくのではないでしょうか。

ZARA Facebook ページ : http://www.facebook.com/Zara

 自社の販促ではなく、新卒採用にFacebookページを活かしているのが、株式会社アーバンリサーチ。
 ページ上では、内定者が入社するまでの様子を始め、入社後も『ボクの会社での”ぼうけんのきろく”』と称した、新入社員によるコメントを随時更新しています。また、各部署の業務説明を『this is my JOB』と名付け、同時に更新するなど、SNS内で会社案内を繰り広げていく活用の仕方が注目を集めています。

株式会社アーバンリサーチ新卒採用2013
http://www.facebook.com/urshinsotsu?sk=app_2373072738

 ただ、新作やコレクションの案内だけにとどまらず、各企業独自の色を出してきているFacebookページ。何より、公式のサイトとの1番の違いは、さまざまな形でファン自身も参加することができることであり、それが、Facebookページ最大の魅力なのではないでしょうか。

 

 中には、商品開発プロセスにファンが参加できる企画を行っている事業もあり、それをきっかけにユーザーからユーザーへとクチコミで広まり、話題の商品へと繋がっています。

 

 しかし、当然ながら、Facebookページを利用するだけで、大きな反響があがるわけではありません。そのためには、インセンティブを提示するなど、企業側だけではなく、ファンに対してのメリットもつくらなければ、せっかくの情報拡散のチャンスを逃してしまうことになります。

 

 しかし、使い方は無限にあるであろう、Facebookページをうまく利用すれば、SNS上からクチコミで話題へと広がり、従来のファンに限らず、新たなファンとの関係も深めていけるのではないでしょうか。


 

RINA  

R I N A

90年代の米国がネットバブルだった頃に米国にて日本向けのファッションポータル事業にコンサルタントとして関わる。

 

以降、「ファッション」と「インターネット」上で行われるビジネスを中心とした事業に15年ほど携わり、Web製作やディレクション、ビジネスのコンサルタントを行う。現在は米国のファッション事情やトレンド、ファッションとIT関連を中心とした執筆、今までの経験と知識を活かしビジネスサポートも行っている。

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