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2014.09.24

ニューヨークコレクション中に見たハッシュタグの上手な使い方、残念な使い方

 もうかれこれ3年くらい前からでしょうか、米国のファッションシーンでinstagram(インスタグラム)のブームが始まったのは。

 

 米国マーケットのファッションとテクノロジーとの融合にフォーカスを置いたコラム「FASHIONxIT」のアーカイブをさかのぼっても幾度となく、インスタグラムはもちろん、ツイッターやピンタレストと言った様々なソーシャルネットワークのサービスが、米国では早くからファッション業界でも活用されてきているのが分かります。

 

 9月4日よりリンカーンセンターで開催された2015年春夏を発表するニューヨークコレクションでは、新たなソーシャルネットワークのサービスの「Foto Yapp」がIMG FASHIONとパートナーシップを組み、全世界に発信されるソーシャルコンテンツを集め、リアルタイムで会場に設置された大型ディスプレイに表示。その新たなサービスの紹介がファッションウィークの会場で行われたように、最近ではファッションとテクノロジーは仲良しな存在なのです。

 写真を見て頂くと分かる様に、日本語をこれだけはっきりと表示しているプロモーションを見るのはなかなかないので思わずディスプレイの前に立ち止まってしまいました。

ハッシュタグにはオリジナリティを!

 ニューヨークコレクションも終盤の頃、百貨店の「Bloomingdale’s(ブルーミングデールズ)」では、秋のキャンペーンである“100% Bloomingdale’s”を始動。

 

 マンハッタンの59丁目の店舗では、レキシントンアヴェニューに面したストアのウィンドウを活用し、9月10日から13日の3日間、午前10時、午後1時、5時の3回に渡るライブのファッションショーを行うイベントを開催。

▼Bloomingdale’sファッションショーのイベント動画はこちら
https://vine.co/v/Oz3wLmFWIiH

 

 このキャンペーンでブルーミングデールズは有名モデルエージェンシーである NEXT MODELSとWIHLHELMINA MODELSと組み、メンズそしてウィメンズの今秋のトレンドのルックをショー形式で紹介。

 

 ウィンドウ前に集まるお客様には、登場するモデル等とセルフィー(SELFIE:自分の写真を撮ること)し、インスタグラムなどのSNSへハッシュタグ「#100PercentBloomies」を使いシェアするよう促した。

 

 私も初日のお昼の回に駆け付けましたがかなり沢山の人たちがスマートフォンで撮影。私もiPhoneで撮影した写真を、ハッシュタグを活用し、インスタグラムへシェア。後にブルーミングデールズより御礼のコメントを頂きました。

▼#100PercentBloomiesを使いシェアされた写真をインスタグラムで見る
http://websta.me/tag/100percentbloomies

 

 この#100PercentBloomiesのハッシュタグは、ウィンドウでのライブショーだけでなく、ブルーミングデールズがこの秋掲げるキャンペーン「100% Bloomingdale’s」全てに活用されています。

 

 この他にもニューヨークコレクション会期中に5番街にあるフラッグシップストアの靴売り場を改装した百貨店「Lord&Taylor(ロード&テイラー)」は、ソーホーでも人の流れが多いブロードウェイ沿いに移動トラックを使い、そのプロモーションを行いました。

このキャンペーンではハッシュタグ「#shoeOBSESSED」を使用しています。

 この様に移動トラックを使ったキャンペーン、そしてハッシュタグの活用は、ファッション業界だけでなくどの業界でも米国では当たり前となっていますが、そんな中で今回のロード&テイラーのケースでひとつマイナス点を感じました。

 

 ブルーミングデールズが活用した「#100PercentBloomies」と違い、ロード&テイラーでは靴好きが既に意外と使用している「#shoeOBSESSED」のハッシュタグをキャンペーンで使用。これでは後からハッシュタグを使って写真を検索した際に、他の一般の写真とロード&テイラーがキャンペーンとして促した写真がごちゃ混ぜになってしまいます。

 

 こうしたキャンペーンで活用する場合は出来るだけオリジナリティのある、例えば今回のロード&テイラーのケースでもLord&Taylorの頭文字を付ける加えるなどして「#LTshoeOBSESSED」とした方が良かったかもしれないですね。


 

RINA  

R I N A

90年代の米国がネットバブルだった頃に米国にて日本向けのファッションポータル事業にコンサルタントとして関わる。

 

以降、「ファッション」と「インターネット」上で行われるビジネスを中心とした事業に15年ほど携わり、Web製作やディレクション、ビジネスのコンサルタントを行う。現在は米国のファッション事情やトレンド、ファッションとIT関連を中心とした執筆、今までの経験と知識を活かしビジネスサポートも行っている。

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