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2024.09.03

【2025春夏東京 ハイライト1】楽天ファッションウィーク東京が開幕 東京ファッションアワードの第10回アニバーサリーイベントも開催

写真左から:「シンヤコヅカ」「テルマ」「ハイドサイン」

 

 2024年9月2日から9月7日まで2025春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO以下、Rakuten FWT)」が開催される。参加ブランドは国内外合わせて33ブランドで、フィジカル発表が26ブランド、デジタル発表が7ブランドとなっている。初日である9月2日には「テルマ(TELMA)」「ハイドサイン(HIDESIGN)」「シンヤコヅカ(SHINYAKOZUKA)」らがコレクションを発表した。

前日には「TOKYO FASHION AWARD 2025」受賞ブランドの発表イベントを開催

写真:前列左から、馬場賢吾、坂井俊太、玉田達也、木村登喜夫、後列左から、長見佳祐、リバー・ガラム・ジャン、小浜伸彦、佐々木悟、村上亜樹

 

 

 

 Rakuten FWT会期前日の9月1日(日)には、「TOKYO FASHION AWARD 2025」受賞ブランドの発表イベントが開催された。

 

 

 メンズでは、馬場賢吾の「カネマサフィル(KANEMASA PHIL.)」、坂井俊太の「パラトレイト(paratrait)」、玉田達也の「タム(Tamme)」、木村登喜夫の「トキオ(tokio)」、ウィメンズでは長見佳祐の「ハトラ(HATRA)」、小浜伸彦とリバー・ガラム・ジャンの「リブノブヒコ(RIV NOBUHIKO)」、佐々木悟の「サトル ササキ(SATORU SASAKI)」、村上亜樹の「タン(TAN)」の計8ブランドが選出された。
 
 「カネマサフィル」は和歌山県で1964年に創業したニットメーカー「カネマサ莫大小株式会社」のファクトリーブランドで、「基礎となるモノづくりの経験をいかしてファクトリーメンバーみんなの力で取れた賞だと思う」とクリエイティブ・ディレクターの馬場賢吾はコメントした。また、すでに日本以外に韓国でも手ごたえを感じているという「リブノブヒコ」のリバー・ガラム・ジャンは、「2人でクリエイションを行うことでコレクションにより強い力を与えられている、ヨーロッパでの展開も楽しみ」と語った。
 
 東京を拠点とするファッションブランドが、世界をフィールドに活躍するためのサポートを目的とし、東京都および一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)が主催する「TOKYO FASHION AWARD」。10回目を迎えた今年は、特別なアニバーサリーエキシビションを開催。会期は9月2日から7日までの6日間、「表参道ヒルズ スペース オー」にて行われる。エキシビションでは、今回の受賞ブランドに加えて、現在海外で発表を行っている「ファセッタズム(FACETASM)」や「キディル(KIDILL)」などを含む、これまでにアワードを受賞したブランドのアーカイブが展示されるという貴重な機会となっている。
 
 また、今シーズン、楽天による日本のファッションシーンをエンパワーメントするプロジェクト「by R(バイアール)」では、2015年にアワードを受賞し、現在はフランス法人も設立しパリでのコレクション発表をしている「サルバム(sulvam)」が9月6日にランウェイショーを開催する。ブランド設立10年を迎えた節目となるコレクションで、2024春夏に始動したウィメンズラインの本格的なお披露目となる。

写真:エキシビションの様子

Coutesy of TOKYO FASHION AWARD

「JFW NEXT BRAND AWARD 2025」を受賞した「テルマ」で開幕

「テルマ(TELMA)」2025春夏コレクション Courtesy of TELMA

 

 

 RFWTのショー開幕を飾ったのは「JFW NEXT BRAND AWARD 2025」を受賞した「テルマ(TELMA)」。デザイナー中島輝道が手掛けるウィメンズブランドで、ブランドとして初のランウェイショー開催となった。中島デザイナーはアントワープ王立芸術学院を卒業後、「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」で経験を積み、その後は「イッセイミヤケ(ISSEY MIYAKE)」で⼀枚の布という概念から独⾃のシルエット表現と国内産地との素材開発を学び、2022年春夏に自身のブランドを立ち上げた。
 
 

写真:授賞式に登壇した「テルマ」中島輝道デザイナー(写真左)とJFWO下地毅新理事長(写真右)

 

 「人が着て動くことによって初めて服が生きるので、ぜひ360度様々な角度で見てもらいたかった」というコレクションは、繊細なエレガントさで、見る人を惹きつける表現力を持ちつつも、その素材や技術に込められたこだわりも並々ならぬものがある。日本のモノづくりをリスペクトしており、コレクションの7割程度は産地とのコラボレーションも含み、オリジナルのテキスタイルを使用しているという。また、ナイロンやシルクシフォン、アセテートなど様々な素材にのせられたプリントは、京セラと協業し、水の使用量を約99%削減できるというインクジェット捺染プリンター「フォレアス」を使用している。水彩画のようなフラワーモチーフや印象的なオプティカル柄など、デザイナーのクリエイティビティと日本の技術力が織りなす華やかなアイテムが次々と登場した。「テルマ」は同アワードのサポートを受け、次回RFWTでもフィジカルショー、もしくはプレゼンテーションでコレクションを発表する予定となっており、これからの活躍に期待がかかる。

 

>>>「2025春夏・東京」のコレクション画像はこちら

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