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2024.02.28

【2024秋冬ミラノ ハイライト1】トレンドセッターが放つタイムレスなコレクション

写真左から「プラダ」「グッチ」「トッズ」「モスキーノ」

 

 

 2024年2月20日から26日、ミラノ・ウィメンズ・ファッションウイークが開催され、2024秋冬コレクションが発表された。イタリアファッション協会の発表によると、フィジカルショー56 、デジタルショー5 、プレゼンテーション74、その他のイベント26件の計161件開催されたとのこと。

 

 今シーズンは通常は初日から「ツインセット(TWINSET)」、「ペセリコ(PESERICO)」、「メゾン ヨシキ パリ(MAISON YOSHIKI PARIS)」のショーが開催され、メンズ同様、ファッションウィークのスタートは前倒し傾向に。今シーズンも新クリエイティブディレクターのデビューに注目が集まる中、「ブルマリン(Blumarine)」のウォルター・キアッポーニ、「トッズ(TOD’S)」のマッテオ・タンブリーニ、そして「モスキーノ(MOSCHINO)」は、エードリアン・アピオラッザによるデビューコレクションが発表された。

 

 ハイライト1では、このような新しい話題のあるブランドや、ミラノのトレンドセッター的存在のブランドのコレクションをピックアップする。

 

フェンディ(FENDI)

Courtesy of FENDI

 

 ミラノショールームにて、何枚にも連なる劇場のようなカーテンをモデルたちが潜り抜けるようなドラマチックなランウェイを設置してショーを行った「フェンディ」。今シーズンもキム・ジョーンズのインスピレーション源は、フェンディ家の女性たち。

 

 「フェンディにはユーティリティを重視する背景があり、フェンディファミリーの着こなしは、まさにそれを意識したもの」だと語る彼は、初めてシルヴィア・フェンディに会ったときに彼女が身に着けていたシックなサファリ風のユーティリティスーツを原点とした。実用的だけどラグジュアリー、シンプルながらドラマチックなスタイルを、ローマらしいキーワードを加えながら、「フェンディ」ならではの二面性にフォーカスする。

 

 テーラードテイストを活かし、シンプルなラインを基本としつつ、フェミニンなシルエットを表現。ノーラペルやスタンドカラーのパンツスーツやセットアップはウエストを絞り腰のあたりに丸みをもたせたシルエットに仕上げた。またウールやローゲージニットなど重厚な素材とチュールやオーガンザなどの軽い透け素材を合わせている。

 

 そこにワンショルダーや片方だけに付けたニットアームウォーマー使いなどのアシンメトリーな要素、レイヤードや巻き付けを活かしたスタイリングなど、各所にくずしがちりばめられる。ボルゲーゼ美術館やサン・ルイジ・フランチェージ教会にあるローマの古代彫刻のプリントがコートやニットなどに大胆に使われているのも印象的だ。またブーツやコートなどのディテールとして、「セレリア」のステッチが使われており、これは「フェンディ」が2025年に100周年を迎えるにあたって、このアイコニックなディテールに立ち返りアップデートしようという試みだとか。

 

 また、サルバドール・ダリがロゴを描き、「FF」ロゴラッピングと一体化したチュッパチャプスのロリポップホルダーのような遊び心溢れるアイテムや、新しいショッパーバッグ、「ロール」も新たに登場。

 

 伝統的な職人技による質の高さと、実用性や遊び心の融合により、「フェンディ」らしい意味を持たせたラグジュアリーを提案した。

 

ヌメロ ヴェントゥーノ(N°21)

Courtesy of N°21

 

 今回も自社施設、ガレージヴェントゥーノにてショーを行った「ヌメロ ヴェントゥーノ」。今回のテーマは“Anarchical Glamour(無秩序なグラマー)”。アレッサンドロ・デラクアは「1980 年代のオートクチュールのテクニックや効果を分析し」、「ボントンの概念を破壊」したという。それは見たことのない珍しいものを探すのではなく、基本的なものの珍しい組み合わせから生まれるスタイル。ボントンの古風な概念や相対的なルールを取り除き、新しいブルジョワシックを提案する。

 

 そこにはこのところ「ヌメロ ヴェントゥーノ」が継続している、けだるくセンシュアルなムードが漂う。リトルブラックドレスは、フロントが大きく開いていたり、胸元がカットアウトされていたり、スリップドレスやマイクロミニスカートのスリット部分にはリボンが施されて、上品さやキュートさと官能性が入り混じる。

 

 ノルウェーセーターやフィールドジャケットにクリスタルやビーズをあしらったチュールスカートや透け感のあるボディを合わせたり、フラワープリントのドレスにアニマル柄のエコファーコートを合わせるなど、コントラストの効いたコーディネートも多い。エレガントなサテンドレスやクラシックなセットアップに実用的な小さなポケットがアクセントとしてついているのにも、小さな崩しのテクニックが見られる。

 

 このコレクションで繰り広げられる、奇をてらった新しい物ばかりを無理に生み出そうとするのではなく、日常的なものを別の角度で見ることで非日常なものに変えたり、従来あるものに新しい基準を与えるといった取り組みは、次のシーズンのキーワードになりそうだ。

 

プラダ(PRADA)

Courtesy of PRADA

 

 お馴染みのプラダ財団のショー会場は、1月のメンズコレクション同様、草木や小川の上に敷かれたガラス張りの床がランウェイとなっている。このセットは、メンズコレクションの時のようにテーマに直接的に連結するわけではないが、ウィメンズの“INSTINCTIVE ROMANCE(本能的ロマンス)”というテーマに合ったロマンチックな雰囲気が漂う。

 

 コレクションは歴史の断片をファッションに埋め込み、美についての考え方や記憶によって形作る現代世界を模索するものなのだとか。過去を理性的に考察するのではなく、現代にも通じる美の理想に対して心がどう揺れ動くのかを探求し、新しいものを作り上げるために過去を振り返ったという。

 

 チェスターコートやボックスシルエットのダブルのジャケットなどメンズのテーラードスタイルに、ボトムにはオーバースカートをエプロンのように前に垂らしたり、トレーンのように後ろに施したレイヤードを合わせたコーディネートが多数登場する。ジャケットにはバック部分がジレの裏地のようになっていたり、オーバースカートの後ろには大きなリボンが付いていたりと、フロントとバックが全く違うディテールが特徴的だ。

 

 無数にちりばめたりウエスト部分に施されたリボン使いのドレスや、トリムや襟にファーが施されたドレスがボントンスタイルを表現。体の線を強調するようなぴったりとしたフォルムに仕上げたライダースジャケットや、「P」のエンブレム付きジャンパーなど現代的ファッションの象徴的アイテムもあれば、50年代風のコート、またはヴィクトリア王朝を意識した、バッスルやコサージュのついたスカートや花の刺繍の入ったバッグも。腕を曲げてバッグを抱えたモデルたちにはレトロなエレガンスが漂う。メンズ秋冬コレクションとリンクする、セーラー帽や、カラフルなハイゲージニットによるツインセットも登場する。

 

 「歴史は、私たちにすべてを教えてくれます。困難な時期こそ、その教えは重要な意味を持ちます。歴史によって形作られているのが、本コレクションなのです。大切なのは私たちが何者なのか、どうしてそのような服を身につけるのか、ということへの理解です。それは過去を思い出し、前進するためにその知識を活用する、ということなのです」とミウッチャ・プラダは言い、「理想の美に対する現在の考え方を決めるのは、過去なのです。私たちはいつも時を遡ります。今のように混乱の時期、歴史を知ることに大きな意味があります。私たちは何者なのか、どこから来たのか。そうした過去を知ることができて初めて、未来を見据えることができるのです」とラフ・シモンズは言う。そしてそこには十分な考察と、美しいクリエーションへの愛が詰まっている。

 

モスキーノ(MOSCHINO)

Courtesy of MOSCHINO

 

 新クリエイティブディレクター、エードリアン・アピオラッザによるデビューコレクション。“コレクション0(Collezione 0)”というテーマで、創業者フランコ・モスキーノと「モスキーノ」のメゾンにオマージュを捧げた。

 

 アイロニーをふんだんに盛り込んだ、メッセージ性の強いデザインで知られるフランコ・モスキーノのクリエーションを、単にアーカイブアイテムを繰り返すのではなく、再評価、再構築し、新しいプロポーションや素材で新しい物へと昇華する。コレクションには、お馴染みの「LOVE」、「PEACE」などのスローガン、スマイルマークやクエスチョンマーク、だまし絵やトリック、ドット、赤×黒の色使いなど、アイコニックな要素が勢揃いする。そしてこれらを現代のムードにあわせ、テーラリングやクラフトマンシップに溢れたアイテムに落とし込む。トレンチやテーラードスーツ、ジレやシャツなどメンズのクラシックの定番的アイテムが多数登場するが、シャツの裾はレイヤードフリルに、ジレは長く垂れ下がる。サスペンダーやネクタイ、ハットなど、クラシックなアクセサリーもそのまま使うのではなく、何個も重ね付けするなど、遊びとくずしが控えめにちりばめられている。

 

 新クリエイティブディレクターに着任した直後に急死したダヴィデ・レンネの後任として1月に就任したばかりのエードリアンが、2月にコレクションを完成させるのは容易ではなかったと想像される。「コレクション0」という今回がフランコへの完全なるオマージュだとしたら、次回はエードリアンの本領発揮となるだろう。来シーズンが楽しみだ。

 

トッズ(TOD’S)

 

 新クリエイティブ・ディレクター、マッテオ・タンブリーニのデビューコレクションを発表した「トッズ」。実際に使われている路面電車の操車場を会場に、停車中の車両たちに囲まれたランウェイが作られた。この街の活気の原動力でありムーブメントの象徴でもある路面電車を絡めた演出は“トッズ・イン・モーション(Tod’s in Motion)”というテーマにも繋がり、ブランドが次のステップへ移行していく様子、また動きのある素材によるコレクションと呼応している。

 

 「トッズ」のDNAであるレザーは、トレンチやテーラードジャケット、ドレスやパンツなど全般的に使われ、さらにラッピングクロークのトリムや襟に使用したり、ニットに張り合わせてディテールとして登場することも。その一方、ファーストルックではレイヤードで登場するシャツや、張りのあるトレンチコートにコットンが使われたり、ダブルフェイスのウールのテーラードコートや、ウールツイルのテーラードスーツなどのファブリックも登場。またニット類が充実し、ハイゲージのタートルニットやボリューミーなベストなどの使いやすいアイテムから、ニット・オン・ニットのレイヤードや、袖を巻き付けたり、折り返すことで違う表情を楽しめるような特徴的なカーディガンまでが揃う。

 

 小物類では、クラシックカーのフロントグリルからのインスピレーションの、よく見るとTの文字が隠れたバックルをあしらったベルトが各所に登場する。足元にはレザーのフリンジが施された「ヨーキー」 ゴンミーニや、モーターサイクルから着想したブラッシュドレザーのブーツを合わせる。バッグは両サイドに付けたハンドルによって2ウェイで使える「ディーアイ バッグ スウィング」や、ジッパーについたレザーベルトで、閉じるとジッパー部分が隠れる新しいボウリングバッグが登場した。

 

 「都市生活と余暇、フォーマルとインフォーマル、伝統と革新の二面性を表現」したマッテオ・タンブリーニのデビューコレクション。「トッズ」らしいコードをきっちり入れつつ、今のムードもほどよく入れたバランスの良い仕上がりとなっている。

 

グッチ(GUCCI)

Courtesy of Gucci

 

 サバト・デ・サルノによる初の秋冬ウィメンズコレクションとなる「グッチ」。メンズショーの時と同様、街の中心から離れたフォンデリア・カルロ・マッキという鋳物工場跡にてショーを開催した。テーマは前シーズンのウィメンズコレクション、および1月に発表されたメンズの秋冬コレクションと同様に“GUCCI ANCORA”。今や「ANCORA=もっと」はファッション界および「グッチ」ファンなら外国人にも理解できるイタリア語となりつつあるが、こうやってリピートすることで「もっとグッチを愛してほしい」というメッセージをより強く伝える。

 

 コレクションの内容も、大胆に変化させるのではなく、これまで構築してきた要素を継続させつつ進化させたものだ。1月に発表された秋冬メンズコレクションでは、昨年9月の春夏ウィメンズコレクションのミラリングで、同じ要素を使ったり、メンズ風にアレンジしたルックが多く登場したが、今回のコレクションでは素材やディテールを進化させつつ、これらのコレクションの世界観をアップデートした。

 

 テーラードコートはもちろん、ボンバージャケット、ピーコート、レザージャケットなどのアウターに重きを置き、大ぶりなトップにコンパクトなボトムを合わせたルックが数多く登場。そこにはよりエレガントになったホースビット付ハイサイブーツやプラットフォームシューズを合わせ、パンキッシュな雰囲気を添える。様々な素材で登場するテーラードのロングコートにはショーツやマイクロミニスカートを合わせたり、ボントン風のジャケットとショーツのセットアップが登場。ボンバージャケットやテーラードコートに施されたスパンコール使いは前シーズンに続くものだが、スパンコールの大きさに違いを加えることでより躍動的に。GGマークが施されたエンボスレザーや、メンズでも登場していたリザードを使ったセットアップに使われた「アンコーラロッソ」も印象的だ。マスキュリンなウールのピークトラペルコートにフェミニンなドレスを合わせたコントラストの効いたルックも登場する。透け感のあるチュールやレースのランジェリードレスや、ジャガードのアールデコ調のサギのモチーフを活かしたドレスやジャケットは今シーズンのコレクションならではのアイテムだ。

 

 メンズではタイドアップに代わる長いボウタイが登場したが、ウィメンズでもそれがネックレス代わりのアクセントとして使われる。バッグ類では、ナッパレザーを重ねた新しいトップハンドル バッグ「GG ミラノ」、アーカイブにある乗馬モチーフをコンテンポラリーに再解釈したハーフムーンシェイプの新作バッグなどが登場した。

 

 1シーズンで終わってしまうファッション業界の表面的なトレンドに疑問を投げかけるかのようなコレクション。それはサバトの「常に現実と対話し」「別の世界で生きるのではなく、何よりもこの世界で生きる方法を模索している」というファッションへの堅実なアプローチを反映している。

 

エムエスジーエム(MSGM)

Courtesy of MSGM

 

 今シーズンの「エムエスジーエム」のテーマは作家トルーマン・カポーティのデビュー作“Other voices, Other rooms®(日本語訳タイトル:遠い声、遠い部屋)”。そしてインスピレーション源は、カポーティが 「白鳥(スワン)」と呼んでミューズとして愛していた、エレガントで美しさと知性に溢れたハイソサエティの女性たちだ。このコレクションでは、当時の「スワン」たちを彷彿させる、50年代風の洗練されたスタイルの中に現代的なツイストを効かせている。

 

 ウエストを絞ったジャケットやパンツスーツ、トリムがファーになったミニスカートなど、ボントンテイストが漂うアイテムが多く登場。50年代風のドットのワンピースやブラウスも上品さを添える。そんな中、ジャケットやパンツにはカラージップが各所に施され、現代的なテイストをプラスする。パテントレザーの光沢のあるコートやシルバーのスタッズがちりばめられたドレスは、煌びやかなNYの社交界からのイメージだ。上流階級のリビングを表象するような、ベルギーの芸術家ヤン・デ・ヴリーガーによってブラッシュストロークで描かれたプリントも登場する。

 

 マッシモ・ジョルジェッティは、トルーマン・カポーティが描いた「スワン」の貴族的で反抗的な魅力を引き合いに、平凡に反抗する自由な女性らしさというアイデアを取り入れたのだとか。ちなみにカポーティは彼女たちをモデルにしたスキャンダラスな暴露話を書いたことで怒りをかい、社交界から追放されてこの小説も未完のまま世を去ることになるのだが、黒を多用しつつ原色のアクセントを効かせたコレクションには、そんなダークで破壊的なムードも感じられた。

 

ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)

©︎ DOLCE&GABBANA

 

 ウィメンズコレクションながら、あえてテーマを“Tuxedo(タキシード)”とした「ドルチェ&ガッバーナ」。それは彼らが「タキシードは完璧で、永遠で、時間の制約を受けない、ピュアなスタイルの究極の象徴」であり、「タキシードをデザインするということは、自分たちのサルトリアの文化に深く根ざしたタイムレスなエレガンスを提供するということ。それは女性たちにクラシックなワードローブを提供することであり、現在の流行から逃れ、より自分に自信を持てるようにすること」だと考えるから。このところ、メンズにおいてもブランドのルーツを見つめなおすことをテーマとしているが、その流れはウィメンズも同様だ。

 

 使われているのは、ブランドを象徴するブラックがメイン。そんな中にアニマル柄やドット、シルバーやゴールドなどが混じる。テーマとして掲げているように、メンズのテーラードタキシードがベースになっているが、そこには究極の女性らしさを加えている。ジャケットはウエスト部分を絞って丸みを付けた砂時計フォルムやラペルの辺りまでしかないクロップ丈に。長めのジャケットにはブルマーやマイクロショートを、ショート丈のジャケットにはレースやチュールの透け感のあるスカート、またはオーバースカートをトレーンのように巻き付けてコーディネート。スキニーパンツやキュロットを合わせたフォーマルスーツもある。カマーバンド、パピヨン、ボウタイ、くるみボタンなどディテールにはタキシードの要素がふんだんに使われ、モデル達の多くはシチリア風のコッポラ帽にフェイスベールを付けている。その一方で、マスキュリンとフェミニンのミックスだけでなく、パフスリーブのドレスやフェザーをあしらったコート、ランジェリーとレースのオーバードレスなどの王道的フェミニンなルックも登場。

 

 単に紳士服を女性が着るとか、ウィメンズウェアをメンズウェアに寄せたという単純なものではなく、メンズのサルトリアルなアプローチを女性の体に生かしたアイテム達によって、エレガンスと官能、そしてパワーに溢れる女性像を提案した。

 

エリザベッタ フランキ(ELISABETTA FRANCHI)

Courtesy of ELISABETTA FRANCHI

 

 今回もミリタリースクールにてショーを行った「エリザベッタ フランキ」。今回は“ザ・クラブ(The Club)”というテーマで、ガーリーな英国のカレッジスタイルを繰り広げる。ランウェイの背景には、図書館の本棚の絵が描かれている。

 

 プリーツミニスカート、ロゴ付きのマキシカーディガン、ミニ丈プルオーバードレスをシャツやテーラードジャケットやツイード、タータンチェックのロングコートとコーディネート。エンブレム付きのストライプポロやブルゾン、細めのネクタイはカレッジの制服やユニフォームのイメージだ。シャツやニットを腰に巻いた学生風のコーディネートもある。そんな足元はコンバットブーツや、ソックスにピンヒールを合わせてミックスマッチ。一方、後半では、学術の魅力とナイトライフの魅力の両方を受け入れる、現代的で解放された女性の二面性を体現すべく、煌びやかなメタルフリンジやスパンコールのドレスが登場。

 

 世の中のトレンドにはあまり左右されず、我が道を行く「エリザベッタ フランキ」のコレクションは、見ていて楽しい。そして、今シーズンも独自の路線を貫いていた。

 

取材・文:田中美貴

画像:各ブランド提供(開催順に掲載)

>>>2024秋冬ミラノコレクション

 

 

田中 美貴

大学卒業後、雑誌編集者として女性誌、男性ファッション誌等にたずさった後、イタリアへ。現在ミラノ在住。ファッションを中心に、カルチャー、旅、食、デザイン&インテリアなどの記事を有名紙誌、WEB媒体に寄稿。apparel-web.comでは、コレクション取材歴約15年の経験を活かし、メンズ、ウイメンズのミラノコレクションのハイライト記事やインタビュー等を担当。 TV、広告などの撮影コーディネーションや、イタリアにおける日本企業のイベントのオーガナイズやPR、企業カタログ作成やプレスリリースの翻訳なども行う。 副業はベリーダンサー、ベリーダンス講師。

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